やりたいこと無限大(2020年現場振り返り①)

パンダドラゴン2nd単独ツアー~授業参観~

@新宿BLAZE
出演:パンダドラゴン
授業参観に行ってきました!祐矢くんのおたくに誘われてパラゴンさんの現場は4回目です。冒頭のMCでみなさんは保護者です的なことを言われて軽い気持ちで保護者役をやったら思ってた以上に気持ちに嵌まってしまい、最終的には完全に観に来たメンバーの家族の気持ちになって涙出た。制作の意図以上に授業参観というコンセプトが刺さってしまった感じがする。
知ってる曲は半分くらいかなって感じでした。パラゴンさんのライブは曲を知らなくても楽しいって話は前にもしましたが、パフォーマンス力の高さ+この曲はここが見せ場!ここを楽しんで!というのが一曲一曲ちゃんとあるのがまじで強い。MCで6曲連続はキツイという話をしていましたが、本人たちからキツイって言われないとわからないくらい誰もきつそうな感じを見せないのがさすがでした。いや当たり前なのかもしれないけど!自界隈この人マチソワきつそうみたいなのぶっちゃけあるから……。一回見ただけの私でもこんなに楽しかったんだから、一緒に全国回ったファンの子はもっともっと楽しかったんだろうなって思います。パラゴンのみなさんにとってもファンのみなさんにとっても特別な大切なライブなんだと分かる会場の空気がすごかったな。ちゃんとおたくなわけじゃない私から見ても唯一無二の空間だった。
あとチケット代安すぎてびっくり。高いチケット代取ってるわけじゃないのに、デジチケで紙のチケットも渡してくれたりオリジナル衣装のクオリティが高かったりときちんとファンに還元されている感じが本当にいい。今回初お披露目の白衣装よすぎて、会場中で沸いたの楽しかった。全身白いのに安っぽくなくて品があって、きらきらとひらひらにときめきが詰まってて、なによりみんなにちょう似合ってた。
私は自分がきれいだと思ったものを裏表なく純粋無垢だと夢見がちなところがあるんですが、パンダドラゴンさんの心のきれいさに関してはお友達に「何言ってんの?」って言われないので、たぶん本当に彼らはいい子たちなんだと思います。
・ぱっちくん
めちゃめちゃ目が合う気がする……と思っていたらご本人が「画面越しじゃなくて直接会いに来てくれてありがとう」と言っていて、その言葉どおりちゃんと目の前にいるお客さんひとりひとりに何か伝えようと意識しているのかなって。何でもできるタイプだろうとは思うんですけどそれ以上にお客さんを楽しませることに誠実なんですよね。
見れば見るほどビジュアルにしろパフォーマンスにしろ天性のアイドルだなとしみじみしてしまう。かわいいもかっこいいも衒いなく完璧で楽しく手のひらの上で転がされました。サッカー部顔なのに実はリフティングがぜんぜん出来ないくだり、あらゆる方向で能力が高すぎるから神がバランス取ったんだなって思いながら見てた。
・ あづくん
ちょっとした言いまわしや返しがいちいちちょっと面白くてずるいし、面白いのにちゃんと倫理観あってすごい。
そしてこれまで見ていた印象以上にあづくんの内面の熱さを感じたライブでもありました。雪月花やSnow Danceの切なげな表情が好きでした。感情のまま意のままに動く手足が美しかった。近くにいた女の子が今日のあづくんのってたね~というようなことを話していたので少しレアなものを見てたのかもしれない。
・ ようたくん
「ようたみ」とは何たるかを理解してからが彼の本領発揮。天然揃いのパンダドラゴンさんのなかで常識人ポジションかと思ってたんですが、この人もけっこう様子おかしいとこあるじゃん?!好き!
最後の挨拶でアイドルをやる前は小学校の先生だっだ、両親にアイドルになりたいと話したときに初めて親と喧嘩したという話を聞いて胸がいっぱいになってしまった。こんなに優しくかっこよく育って生徒さんからも慕われていただろうし、こんな息子絶対自慢だったと思う。だからこそ、先生を辞めてアイドルになって、たくさん応援されてるようたくんを見ることができたのよかったなあって。だってBLAZEの800人って私の通ってた小学校の全校児童数より多いもん、そんな人数がたまたま出会ったんじゃなくてちゃんと好きになって会いに来てくれたんだって、本当にすごいことだなってしみじみしちゃった。
・ たいがちゃん
たいがくんの王子様み溢れる白ブレザー、制服衣装でいちばん好きでした。これを着こなせるビジュアルの強さ。色白肌に細い手足、お顔の骨格がくっきりしていて目もと口もとの可動域が広くてとにかく表情豊かなところ、笑うとまゆが下がるところ、もう完全に好き。私が絶対好きなジャンルだなってしみじみ思ってた。ソフトテニス衣装の骨ばった長い手足がやたら色っぽくて困った。
話し方やリアクションがちょっと和むくらい明るいところと、メイクの拘り方とか見てても彼なりにコンプレックスだったりがあるんだろうなという感じ、どちらもあるから好きだなと思います。優しい子だなって。
・なぎちゃん
えんじ色の学ランをリアル中学生のリアルさでさらっと着こなす感じ強かった。普通の中学生以上にピュアなのに普通の中学生ではありえないくらいにプロのアイドルで、未来と希望を詰め込んだような子だなと思います。MCのなぎちゃんのご家族がよく観に来るというくだりでなぜか涙ぐみかけた。メンバーに「なぎの妹かわいいんですよ」って言われて照れくさそうにしてるなぎちゃんが100点満点で。
チェキくじ、半分なぎちゃんだったんですがどれもあまりにもチワワで引いてもらうたびに「かわいい!」「わあかわいい!」ってやってた。(というかチェキくじっていい文明ですね。缶バッチよりチェキのが好き)
・ 祐矢くん
NANANA、完全に祐矢くんのターンでめちゃめちゃ楽しかった。水を得た魚とはこういうこと。MCでもわりとにこにこうんうんしてて大人しそうな子がセクシー曲で急にこんな情熱的に踊るのずるくないですか。色気に品があってしなやか。
祐矢くん、きれいなお顔立ちだけど雰囲気大人しそうで、普通に生活しててアイドルっぽいと思わせる感じでもないと思うんですが(逆に普通に生活しててもアイドルっぽいのはぱっちくんたいがくんあたりだと思う)、そんな子がステージの上ではあざとかわいいもセクシーも完璧に表現できる、ファンだけがそれを知ってるって感じがなんかすごくいいんですよね。なんかコンビニとか行ってる祐矢くんに「実はとんでもなくダンス上手いです」ってテロップつけたいもんね。
・ なるきくん
なるきくんのビジュアルに茂吉要くんを感じていたので白衣で出てきたとき解釈一致すぎて笑った。
圧倒的なスタイルの良さとパフォーマンス中の満開の笑顔で、誰が見ても絶対印象に残る感じ、強み。なぎちゃん見ながらいつか彼も大人の男になってしまうのかなと勝手に切ない気持ちになってしまう横でなるきくんが顔真っ赤にして泣いてるのだいぶ和みました。なるきくんのどこにでもいそうに見せかけて絶対どこにもいない妖精みたいな感じ、沼だなと思います。あふれ出る不思議なピュアさがすごくて、何年経ってもこの赤ちゃんみたいなふわふわした笑顔や佇まいは変わらないんだろうな。

舞台KING OF PRISM-Shiny Rose Stars-

@TDCホール
脚本:青葉譲 演出:宇治川まさなり 制作:エイベックス


↑ここに書ききれなかったこと。
元々原作ファンではなかったし、一応予習はしたけどファンの応援までは予習できないのでいまいち良さがよく分からなくて、幕が開くまで楽しめるのか不安がありました。けど不思議と行けば行くほど楽しかった。ルヰくんが最高に良かったこと、各々キャストが天才だったこと、それからカンパニーとして好きになれたことが大きかった。
ルヰくん役よこたくんがどんな気持ちでこの作品に挑んでいるか、その想いをたくさん聞いてきたからその想いが舞台上に現れていたことが嬉しかった。大きな挑戦だった横田くんも、『レオくんという役を通して星元裕月自身伝えたいことがある』というようなことを話していた星元さんも、一声優一俳優として以上に深くキンプリという作品に関わっている五十嵐さんも、各々俳優さんにとって大切な舞台だったと思う。作品として観客にどう受け取られるか以上に、そういう特別な舞台だったと思います。
本当に好きな舞台ではあったんですが、でもひとつ言うなら脚本演出はもう少し頑張ってほしかった。脚本は原作ファンにあぐらをかきすぎだしプリズムショーの演出も工夫がない。サイリウムチェンジで衣装が変化しないとか曲中脱衣のために捌ける時間が長すぎるとか一瞬トラブルかと不安になるような演出の手抜きはもうみょっと考えてほしい。連れていったキンプリミリしらの子に「そもそもプリズムジャンプってなんなの?」って言われてそこを伝えられてないのやばいなって思った。舞台だけ見てもどんな絵を見せようとしているのか分からない。アフトやSNSでの脚本家の話しぶりからしても、作品のファンしか視界にない感じはすごかったし、それが問題だとは思ってないんだろうな。
再演も続編もやってほしいし私は楽しんで通うんだろうけど、だからこそある程度誰とでも楽しさを共有できるものだったらなという気持ちです。色々言ったけど結局楽しかったし好きです。

Asterism vol,6「DOUBT」

@TACCS1179
脚本:木村純子 演出:樋口夢祈 制作:スタービートエンターテイメント
出演:鷲尾修斗 原野正章 堀田玲央 須永風汰 久野木 樋口夢祈
ブタキンが公演自粛になった次の日にはTACCSにいました。ブタキンと公演期間まる被りで観劇できないかと思っていたんですがそっちが公演中止で結局観ることができたという。かなり落ち込んでたけど面白い舞台を観ることができてだいぶ傷も癒えました。
社会人に優しい余裕の19時半開演、20時半終演でアフターイベントに参加しても終演後ゆっくり肉を焼ける!1時間に無駄なく凝縮された物語は充実感がすごかった。短い上演時間で描き切って満足度の高いものを作るって長大な舞台やるよりずっと難しいと思う。今日も木村さんは天才です。
木村さんの脚本は気になる謎を残していくのに何も考えず気負わず見てもカタルシスがある、考察頼りじゃないバランス感覚がすごいんですよね。作中死を直接見せないことを徹底していて、だから誰が誰に殺されたのかははっきりとしない。でも物語はきれいに完結している。DOUBTというタイトル通り、どの台詞が嘘で本当かということがキーになっていたと思うんですが、何も考えずに見てもリツカの最後の台詞「さよなら」が間違いなく本当だったことだけは分かった。「『そのうち』と『いつか』は来ないんだよ」「けどさよならよりも寂しくないだろ」「またいつか」作中印象的に繰り返される台詞は、最後本当の「さよなら」で結ばれる。
あとDOUBTで印象的だったのは台詞の文学的な美しさ。木村さんが書く台詞もそうだし、ヤマト・イクミの朗読する方丈記エピクテトス、良かった。(というかアステに限らず若手俳優が文学朗読するやつもっと見たい。)オリジナルの台詞でいえばリツカが英さんに語っていた「夕陽を見て懐かしく思うような~」の一連の台詞が本当に美しかった。リツカみたいにあまり人の話を聞かないキャラクターって個人的に見ていてストレスになりやすいんですが、おたくの状況的にも今まで当たり前に見ていた演劇を見られない≒したい体験をできない現実があるなかで、強い体験をしたいというリツカの気持ちが分かりすぎて辛かった。
ヤマトとイクミの言葉少なに分かり合ってる感じがすごく良かったな。長い付き合いで培ってきた信頼関係があるというか、きっとふたりで哲学や文学のことを語り合った夜もたくさんあったんだろうと想像させる感じというか。イクミ、人当たりがよくて頭も良くて問題を起こすなんてしなさそうなのに嘘をついて逃げ出すの、初見だと驚くんだけど2回目見るとなんだかわかるんだよね。須永くん、顔小さくて細くて明るい髪色が似合う、すごい令和感のあるビジュアルだと思うんですが、誰にも心配すらさせずに不意に手の届かないところに行ってしまう儚さのある役が本当に合ってた。それから笑顔の印象が強い堀田くんの硬派な役がすごく良くて。堀田くんはいつの時代を生きていてもかっこいい顔だよね。
夢祈さん相変わらずの安定感でした。ラスボスだった月光仮面に比べると英さんはかなり気さくなお兄さんではあったけど、子どもから見た大人の底知れない怖さがずっとあって。夢祈さんがいると舞台がぴしっとする。
あとカルナ役あきくんが目力の強さゆえにミャンマーネタを取り入れられてたのめちゃ笑ってしまった。し、身内にミャンマー語チョットワカル子がいて台詞の意味教えてもらえたのもめちゃウケた。木村さんもまさかTACCSの客席にミャンマー語分かる人いるとは思ってなかったと思う(?)

淡海乃海ー現世を生き抜くことが業なればー

@新宿村LIVE
脚本:西瓜すいか 演出:西口綾子 制作:TOブックス
外出自粛要請のさなかそして吹雪のなか誘われて行ってきました。西新宿駅から出ようとしたら雪真横に降っててめちゃくちゃ笑ったね。寒すぎて劇場入り口の消毒用のアルコールに温もりを感じた。誘われて予定もなかったので軽率に観劇を決めましたが何事もなく終わってよかった。払い戻し対応あり、前楽は無料配信ありということで客席内のソーシャルディスタンスはまあ保たれていました。(ちなみにそれでも現地に行った理由はチケット取る段階で〇〇さん扱いというのが選択できず、劇場でしか目当ての俳優さんを制作に伝えられないから。)
原作は転生ものなろう小説というまじで触れたことのないジャンルでしたが、よく言われてるチート感もそこまで感じず、先の気になる展開でした。あまり書き手作り手の変なクセを感じさせるところがなくて見やすかった。刀ミュのおたくなので主人公が軽率に歴史変えようとする展開にはびびったけど。過去いじったら現在もいろいろ狂わない?!現代の主人公死んでるからどうでもいいんか。
久野木くん、どんな役を当てられてもうまいタイプの方だとは思うんですが、今回の威厳ある役があまりにもはまりすぎてた。終演後すぐ久野木くんめっちゃかっこよくない?!って言っちゃったもん。長台詞の声の響きがとても美しかった。黒髪黒衣装がとんでもなく似合う。原作だと久野木くん自身よりももう少し年上のキャラらしいんですが、それを任せても説得力がありすぎる。
中島礼貴さん。初めて拝見したんですがなんかめちゃめちゃかっこいい人いると騒いでたら「いまの新くん役の人だよ」と簡潔に納得できる情報を得ました。そりゃかっこいいわ。役もすごくよかったと思う。若くて誠実でまだ青い感じが良い。
あとガオレンジャーの方がいると聞いて懐かしさにぶっ倒れたんですけど(当時赤ちゃんだったけどネバギバのくだりとウクレレのくだりは一生覚えてる)、彼に当時からファンからだと思われるお花が届いててファンの息長くて素敵だなとなった。かっこいいもんね。ありえん顔が小さい。
女性陣もみんなかわいかった。松村芽久未さん、NMBのときにお名前知ってたからロビーのお花の宛名見てびっくりした。卒業後も色んな舞台に出ていることは知ってたけど振る舞いも発声も女優然としててさすがでした。小劇場、ありえん顔小さくて細くてかわいくてうまい女優さんがたくさんいすぎて怯えてしまう。

ということでこれが自粛前最後に観劇した舞台になりました。舞台のない生活でつくづく思ったことは、客席にいる時間だけじゃなくて劇場までに向かう時間やスケジュールに観劇の予定がある生活そのものがとても大切だったということ。通勤路が暑くても寒くてもそれは暑いだけで寒いだけだけど、劇場に向かう道なら印象づく夏や冬になる。その暑さや寒さと同時に劇場で楽しかったことも思い出すから。
この日がこの冬いちばんの吹雪だったのも印象的です。きっと次の冬に雪が降ったらこの日の新宿村LIVEまで笑いながら歩いたことを思い出すんだろうな。

ときめき座流星群(ブタキン感想②)

ブタキンことブタバラこと舞台 KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-の思い出振り返りキャスト雑感。書いているのはルヰくん役よこたくんのおたくです。
以前書いたルヰくんだけの感想↓

・一条シン/橋本祥平さん

笑顔がかわいい人だとやっと気づきました。(橋本くんのことハイステを少しと某ディと小山内でしか見たことがなかった。怒られる。)運営諸々がやばすぎた某ディのイベントのせいであまり他人に興味がない人なのかと勝手に思ってたんですけどぜんぜんそんなことなかったね。橋本くんに限らずですが、キンプリのみなさん作品への気持ちをきちんと発信してくれるところ好きでした。
シンくんのピュアでウブな感じが思ってた以上にハマっててびっくりでした。ご本人はたいへんキレのある成人男性なの分かってるんだけど素直にめちゃめちゃかわいかったな。男性みを出さない感じがすごく良かった。エデロのみなさんにルヰくんとの関係を詰めれらてるときのシンくんが毎公演やたら好きでした。ルヰくんとの恋のような時間がずっと清潔でかわいらしかった。
シャイン怖すぎてちょう楽しかった。めっちゃ得意分野じゃん。原作のシンくんはゆうてもおでこの丸いおぼこい少年だけど、橋本くんまず顔がきれいだからよけいにはまってて怖かった。プラトニックソード歌い出し「愛してるただ愛してるいま」の次の「生きてる以上の幸せあげたいのさ」がテンションの上がる穏やかじゃなさ。天才の歌詞。本人曰く歌は得意ではないらしいんですが、(私はあんまそう思ったことないけど)この曲はすごい声の出し方工夫してた感じする。本当楽しかったな。いやちゃんとシンくん好きな人からしたらこの演目は楽しいで済むものではないのかもしれんけど、なんかそれぞれプリズムショーの演出が原作に比べてやれることが限られているなか圧倒的にカラーが強いのが楽しかったんだよね。プリズムショーでいえば原作にあった絵にいちばん近いものを見れた気がします。いやダイスキリフレイン聞きたいけどね!「今日もステージで歌えるのは君がいるから」とか生で聞いたら泣いちゃう。
何年か前の画像フォルダ見てると覚えのない橋本祥平さんの写真がたくさん保存されてるので昔から顔が好きだったんだと思う。

・太刀花ユキノジョウ/横井翔二郎さん

首がすらっと長くてきれい。背が高く見えたけど調べたら思ってたより小さくてびっくりした。頭身で背を高く見せてる感じ、ちっちゃいものクラブなセプテントリオンさんのなかでもバランスいい。ユキ様の顔の作画そのものをトレースしたお顔だちというよりも美しさの方向性を重視したキャスティングが良い。若手俳優のみなさん色んな美しい人がいるけど、よっこいさんに似た顔の人はいないなって感じ、浮世離れした美しさの感じがめちゃめちゃ合ってたと思う。曲中傘を閉じたときに風で前髪が揺れるのがきれいだった。
エーデルローズのみなさんと一緒だと楽しそうというか生き生きしてる感じが印象的でした。絶妙なトーンのボケもきちんと誰かしら拾ってくれるのいいね。レオくんとのやりとり楽しそうでかわいかった。
ナナイロノチカイのサビのところのソロすごく好きでずっとあの歌声が頭に残ってる。

・香賀美タイガ/長江崚行さん

天才なの知ってた。常に舞台上が見えてて落ちてる小ボケはすかさず拾ってくれるし自分でもくどくない笑いを取れるし身体動くし歌もダンスも安定してるし顔がかわいい。隣の人が台詞飛ばしたときにすごいさりげなく伝えててさすがでした。(次の公演で確認して確信できるくらいのさりげなさ)
これだけの安定感でありながら素直に可愛いと思わせる隙を出してくるのがすごい。カヅキさんの前であんなに乙女の表情をしておいてあざとい感じじゃない。なんかキャラとして健気で愛しいなってなるライン。
3日目くらいから早々に若手俳優の裸に見慣れてきてたけど、彼の前腿の筋肉だけは見事だなと毎公演思ってた気がする。色白肌のベビーフェイスにしっかりした身体付きなのがいい。
身内にキンプリのおたくがまじでいなくて(類友)一生一人観劇になりそうだったんですが「長江さんが天才だから来てください」って言ったらお友達を引っぱり込めたのでたいへん感謝しています。

・十王院カケル/村上喜紀さん

ファンが多いキャラなのは分かるけど私のハマるタイプじゃないな~なんて思ってましたがデュオさすがにかっこよくて沸いた。初日の会場中のカケル推しじゃない人も巻き込んで沸いたなって盛り上がり方が印象的でした。タイガと踊ってると同じ振りでも剛と柔って感じでタイプが違ってて好きだった。あまりがり勉の方って認識はなかったけど、自分のした努力を謙遜せず武器にするところがいいキャラしてるな。
癖の強すぎるしゃべりかたのキャラだけど不思議とそのしゃべりかたがなじんでたというか聞いてて心地よかった。一定のリズムを乱さない感じというか。SHBの「キミも感じているのかにゃあ~?」なんかすごい好きでした。

・鷹梁ミナト/五十嵐雅さん

デュオ衣装ペンギン感があってかわいい。原作ファンから愛されてるのが客席の雰囲気からすごい伝わってきて、彼がいるから舞台キャストもやりやすかった部分はめちゃくちゃあっただろうなって思います。圧倒的ムードメーカーで他の2.5.舞台とはまた雰囲気の違うブタキンの客席の空気を作ってるというか。カーテンコールとか客降りで客席から雅~!って聞こえてくるのすごいよね。個人的に2.5はそのあたり自由な空気感あるほうが嬉しい。
カテコでの不思議な言動のおかげで笑ってはいけない横田くんというわりとレアなものを見れたのでたいへん感謝しています。

・西園寺レオ/星元裕月さん

星元さんのこと舞台では今回初めて拝見したんですが、彼のこと勝手に誤解してたなと反省しました。もっとあざとい人かと思ってた、こんな演技をする方だったんですね。こんなに好きになるとは。ユキ様からの無茶ぶりもそうなんですが、かわいいんだけど最初からかわいいに逃げてるんじゃなくて、ちゃんとやった結果かわいいになる感じが100点。
曲中の台詞を大事に大事に言ってるのが印象的でした。「ここは」のまっすぐな歌い出しが好きだった。「わたし、あなたのことが大好き」どうしてか分からないけど毎回良すぎて涙出た。アニメでやってた内容はまるまるカットされてるにも関わらず伝わってくるものがすごいたくさんあったな。あと一度衣装替えが上手くいかなかったとき、客席が少しざわつく雰囲気になるのを振り払うようにめっちゃかわいい煽りを入れててさすがでした。
「私はかわいいものが大好き。だからいつもかわいらしくいたい」本当に彼って容姿だけじゃなくてちょっとしたしぐさも指先まできれいでかわいいから説得力がすごかった。おたくもかわいい服着てるときくらいは背筋伸ばそ……って反省しました。 はけるときにぴょんって跳ねるやつが客席ざわめくかわいさ。

・涼野ユウ/廣野凌大さん

ハスキーな歌声が華があって好きでした。プリ1曲かっこよくてずるい。途中のエアバンドのやつとかやってることは別に派手じゃないのに曲が良いからめちゃめちゃテンション上がってしまう。あと曲中台詞のセプテントリオンのくだりの伴奏の嵌まり方が気持ちよすぎた。ナナイロノチカイの曲中台詞、長い厨二口上の最後を「希望の歌を歌い続ける」って青臭いまっすぐな言葉で結ぶのがすごく好きでした。あと日替わり毎公演いろいろ考えて変えてて若いのにえらかった。

・神浜コウジ/小南光司さん

妙なこと言ってるときに本気で言ってるのか冗談なのかまじでよくわからない感じがすごいそれっぽい。常に口角の上がってる感じがきれいなんだけどなぜか微妙に不穏というか。小柄なキャストが多いなか背が高くて肩幅あってめちゃめちゃ成人男性の身体つきなのに謎のあどけなさがある気がする。首かしげがちだから?やや下ネタっぽいこと言ってもウワってなる感じがあまりしないのが不思議だった。
小南くん、ちょいちょいローラーシューズでつまづいたりこけたりするのがなんかむしろ愛しさになる人だと思う。かわいい。あとなんかたっかい声出してるときの声がなんかかわいい。

・速水ヒロ/杉江大志さん

ヒロとユウのデュオ曲、プリリズ勢じゃないからまじで何なのかミリもわからなくて脚本どうにかしろとはなったんですが、あの細い腕で剣を振る姿はとてもよかったので脚本家は杉江くんの可愛さに感謝してほしい。パンフの右上の写真めちゃめちゃかわいい。こういう情緒不安定ぎみなチワワの役、杉江くんの得意分野ですよね。(原作見たときヒロくん表情豊かすぎて大丈夫かと思った。)ちょっとしたアドリブへの対応の安定感が少し大人な立ち位置を感じさせてて好きでした。
コウジもヒロも情緒の振れ幅すごすぎてキンプリシリーズ予習しただけじゃキャラがいまいち掴めなかったんですが、舞台で見てやっと自分のなかでキャラとして落ち着いた感があります。というか映画2作目は舞台ではやらないのかな。

・仁科カヅキ/大見拓土さん

演技がずっと好きだった子。「テニミュで桃城役に選ばれる子」的な演技の気持ちよさがある。特別自分を大きく見せようとしてるわけではないのに器が大きい感じ。子どもっぽく無邪気なのに不思議と達観した感じもあり、圧倒的光属性で情緒が安定してる。大見くんを拝見したのは今回が初めてなんですが、なんかご本人もわりとカヅキ先輩に似たところがあるんだろうなという印象があります。
顔パーツはっきりくっきりだけど目元の造形は繊細でかわいい。まつげ長い。目元や輪郭のラインが曲線的で、カヅキくんはかっこいい男の子だけどミスコン優勝しちゃうのもなんかわかる。
あとぜんぜんブタキンには関係ないこと言うんですが、大見くん刀剣の出演が発表されたときにストーリーに「おみたくは一生おみたく」と投稿していたのが他担ながら良すぎて感銘を受けました。染まってない感じがたいへん尊い

・如月ルヰ/横田龍儀さん

良すぎて別記事なんですが。
‬横田くん、いままでやったことのない役にたくさん出会ってくれるし、本人としても新しい姿を見せてくれて新しい自分になろうとしてくれているので応援しててめちゃめちゃ楽しいんですよね。

・大和アレクサンダー/spiさん

原作予習中、急にすごいspiさんみたいな人出てきてちょっと面白かった。 ちょっとしたリアクションとか言葉遣いとかがspiさんってだけでちょう面白いのずるいよね。台本通りの台詞でも毎公演のように笑い声起きるとこあるのずるい。「煌めきのシックスパック」この美声でさすがに面白パワーワードすぎて金平糖も見習ってほしかった……。なんか楽しそうでよかったです。

高田馬場ジョージ/古谷大和さん

見るたびに好感度が上がる一方の古谷大和さん。私古谷さんの顔がとても好きなんですが、ふだん全く男の顔の好みが合わない友人も大和さんの顔好きと言っていたのでここまで顔がいいと好みとか超えてくるんだなってなった。
古谷さんが天才なのはもう分かってるんですけど本当に顔がきれいだし曲中のパフォーマンスも良いしアドリブも面白いしでどこをとっても天才でした。これは優勝。周りに某川くんや某石くんがいないとまじで手足長くてびびる。たぶん魅せ方もうまい。キメの笑顔がおとなっぽい色気のある美しさでずるかった。
プリズム1では自分自身についての歌詞を歌っている子が多いなか、JOKER KISSはずっと「(歌詞中の)キミ」に尽くす王道アイドルソングなのすごく好き。あの世界のジョージのファンってジョージがスターを(道化を?)演じてるってことは分かってると思うんですよ。その演じているという部分含めて好きなんだと思う。さっきまで観客にたくさん笑顔で手を振ってたのに、得点発表ですうっと真顔になる、楽しむ楽しませるってだけじゃなくて数字にシビアでかつ結果も残していくところが好きなんだよね。分かる。総帥がなんだかんだジョージを気に入ってるっぽいのはこういうところなのかなって思った。仁とジョージはプリズムショーに求めているものが同じだよね。ルヰやアレクは実力者だけどそのへんの意識は違う。(ところで少し気になるのはキンプリの世界観だと数字ばかり求める考え方は間違いなんですかね?)
あと曲中、観客席にミヨちゃんを見つけたようなしぐさをしていた気がして原作確認してみたけど、特にそういう描写がないばかりか3Dのやつすら作ってもらえてなくてびびりました。シビア。というかミヨちゃんのくだりまで書いてちょっと思ったけどJOKER KISSって岡山にいたノリくんがなりたかった理想の男の歌でもあるのかな。
ジョージのプリズムスタァとしての魅力がはっきりわかるようになったぶん、総帥を軸にしたシュワロの関係性もわかりやすくてよかった。いびつなようでお互い足りないものを補完しあってる部分もあるというか、ほんと絶妙なんですよね。

・池袋エィス/小林竜之さん

SHB曲中にルヰくんと床のきらきらで遊んでくれてたのありがたかった。舞台だとシュワロの生徒との絡みはぜんぜんないので見られて嬉しかったです。あと千秋楽の写真撮影のときにアレクジョージ仁だけ先に上手側に呼ばれちゃってぽつんとしてたルヰくんのとなりに寄ってってあげてたの優しすぎて泣いた。
私は推し定点厨だしエィスくんもひとりで舞台に立っているタイミングが少ないのでちゃんとした感想が言えなくて申し訳ないんだけど、客席からの声援多くて人気あるんだなって思いました。
初演シュワロキャストはわりとみんなベテラン感のある人たちだったから、横田くんこばたつさんが入ったことで明るい色が増えた感じする。

・氷室聖/栗田学武さん

原作見ても聖さんて信頼していい大人なのかむしろダメな大人なのかよくわからなかったんですけど、舞台見てまあなんかそういうことは関係なく愛される人なのは分かりました。初演は大人組の曲があって、栗田さんが別世界で現役アイドルなの知ってる私は地味に楽しみにしてたのになくて泣いた。

・法月仁/前内孝文さん

ファンサしたがりかわいいねおじさん。ルヰくんと絡む絵がとにかく耽美で好きでした。権力者に頬を撫でられる美少年の構図一生好き。美少年を愛する成人の哀れさみたいなのもあるんですけど、それよりもその愛の必死さがそこまでゆがんだものでもないというか、普通の父性にも見えた。登場人物のなかでもぶっちぎりで情緒不安定なやべーやつだけど嫌いじゃなかった。わりとなんでも自分のしたいように従わせようとするやばい大人だけど、自覚しないうちにルヰくんやジョージやエィスに支えられてる部分がありそうな感じがいいなと思う。ジョージやエィスもなんだかんだ総帥についていかない選択肢はないし、ルヰくんも白磁の頬を撫でさせるだけじゃなくちゃんと彼を導いてる。(というかルヰくん1000年自我あるなら総帥なんて赤ちゃんでは)
ルヰくんのおたくはルヰくんの名前を呼べるタイミング少ないんですが、そのぶん彼がずっと名前を呼んでいてくれたのでなんか、わかる……って感じでした。ありがたみが強かったです。ルヰくんは誰にも正体を明かさずにひとりで愛する人と世界を守ろうとしているけど、そうして傷ついたルヰくんのことを事情も分からず必死に思ってくれる人がいるの、その端緒が自己愛だとしてもなんだか救われる話なんですよね。ルヰくん、ある日忽然と姿を消しそうな雰囲気があるけど、この総帥はたぶん意地でも探し出してくれる。

・黒川冷/及川洸さん

歯を見せて笑ったときの口角の上がり方が完璧すぎる。褐色肌・銀髪・サングラス・赤ジャケットってだいたいの人は事故るビジュアルがなぜかちょうかっこいい。大人組のなかで圧倒的に情緒が安定していて安心して見れる人。かっこいいんだけどなんとなくマスコット感もあり好きでした。
原作ファンを沸かせるのがたいへんお上手でさすがでした。出番の少ないなか、キャラの枠組みを守ったうえで印象を残そうとしていて好感度高かった。プリステの方と聞いてめちゃめちゃ納得してしました。大人組の曲ほしかったな……。

如月ルヰくんに恋した(ブタキン感想)

ブタキンことブタバラこと舞台KING OF PRISM ーShiny Rose Starsー観てきました。楽しみにしていて本当によかった。正直脚本や演出などの舞台そのものがよかったのかどうかはよく分からないけど、ただただルヰくんが最高すぎた。ルヰくんが本当に毎秒とにかく良くて、美少年役の美少年でしぐさがいちいちはまっててときめき振りまいてて、いままで観たいと思ってたけど観る機会のなかった横田くんをたくさん見ることができて、本当に幸せだった。ルヰくんが描く絵のひとつひとつに終始琴線をかき鳴らされてた。とにかくルヰくんが良かった。

※ルヰくん役よこたくんのおたくが今作のルヰくんを褒めてるだけの記事です。原作は情報解禁されてから映画2作とアニメをさらっと見ただけなので覚えてたり覚えてなかったり。
公演中に書き始めて千秋楽後に書き終えたのでたまに時空が不思議。ネタバレあり。
※この記事では触れてないけどほかのキャストさんもたいへん天才でいらっしゃいました。そのうち書きます。

・シンくんとルヰくん

パンフで横田くんが話していた「シンに対する愛」「好きな人に対する視線やしぐさ」、めちゃめちゃ期待してたんですがこれが本当に美しいかたちをしていた。観ててなぜか「宇田川町~」を思い出してたんですけど、まあ言われてみれば横田くん、誰かに恋する役ってたぶん宇田川以来とかですよね。宇田川のラストシーン、オーディオコメンタリーで相手役のまりおさんに「幸せそうな顔してるね」ってしみじみ言われてるやつが本当に好きなんですよ。ルヰくんも内から溢れて止まらないような幸せで感極まったような顔をするのがいい。シンくんが違うところを見ているときにその幸せそうな顔でシンくんをじっと見ているのが夢中そのものの表情で。シンくんだってさ、ぱっと振り向いて見たときにあんなしあわせそうな笑顔で見つめられてたらそれはもう……好きになっちゃったな!!
原作のルヰくんも横田くんも、お顔立ち自体は完成されていて大人っぽいほうだと思うんですが、その美しい顔に無邪気な表情を浮かべるのが本当にずるい。この笑顔で思わせぶりなことを言ってみせるの、恋一択で……。あざといともまた違う、ぜんぶ素でやってるようにも見える小悪魔感。デートのラスト、「こんな風に?」とシンの頬に手を添えた瞬間すうっと大人っぽい表情になるのがたまらなくいい。
総帥にデュオ出るお許しをもらったときのルヰくんのはにかみ方が子どもみたいでかわいかった。嬉しいのを抑えようとしてるけどあんま抑えれらてなくてかわいい。愛しい。うっかりあの笑顔を見てしまって「!?」になるシュワロモブ生徒やりたい。
例のトンチキデート衣装、いくら可愛い可愛い横田くんとはいえさすがに原作のあれ着て出てこられたらおもろいかもとか思ってたんですが(ごめんなさい)、舞台だと普通に可愛い感じの服になってて安心しました。この衣装で出てきた瞬間客席から「かわいい……!」って聞こえてくるの分かる、分かる、分かる。ベレー帽かわいい、小さい頭になんか乗ってんのかわいい。女性ものの服を着てもあまり違和感なくかわいいんだけど、ポシェットをさげた胸が平らでまぎれもなく少年で、なんかそのへん誤魔化してない感じが好きだった。
デュオ曲、かわいくてきれい。最初のシンくんのパート中にシンくんの手のひらを両手で包むみたいな振りがあって、その触れ方があまりにも繊細で息が止まる。曲中以外もふたりが手をつなぐところは何度もあるけど、指先と指先でそっと触れるような触り方で、フィジックな要素がないっていうのはこういうことを言うんでしょうか。手の造形が花車なのも相まって、男と男という感じがあまりないんですよね。シンくんのほうもめちゃくちゃウブだしね。かわいいね。ふたりのプリズムジャンプ、両手をつないで見つめあって「禁断の愛、ストロベリームーンナイトアバンチュール」だったかな(うろ覚え)触れている手と手、熱く交わす視線も完全にふたりの世界で、でもそのふたりの世界が素敵なプリズムショーで観客に幸せを届けるもので、すごい理想の愛のかたちを見せられてしまった。ルヰくんはこの恋心がどう結ばれることを望んでるんだろう、みたいな下世話なことを考えてしまうんですが、シンを守りたい・幸せにしたいという気持ちがただただルヰくん生きるパワーになってるのかと思う。「私がシンを永遠に守る」が凛として美しくていちばん好きだった。このふたりは周りも幸せにするような靭い愛を持っていてほしい。

・シャインとルヰ(りんね

シャインに相対するときの怯えと殺しきれない情が綯い交ぜの表情がとにかく良かった。あとはシャインを傷つけていることに対する罪悪感もあったりする?原作だとりんねの姿のりんねとシャインの姿のシャインでしていたやりとりを、舞台だとぜんぶルヰとシンの姿のままでやってたのが逆にわかりやすかった気がする……。いやこのへんアニメ見てもよく分かんなかったんですが、①ルヰの体にりんねの精神を入れたものが生み出される→②ルヰの中のりんねの精神がシンのなかのシャインに惹かれる→③次第にルヰとしての人格が芽生えてシンそのものに惹かれるようになる。で、劇中シャインは②と会話してるつもりだけど、実際のルヰはもう③の状態、みたいなことだよね……?
見た目完璧な美少年のルヰくんが「これだからF型は~」って言われてそれに言い返せないのすごく好きだったな。シャインの前のルヰくんはぜんぜんお人形じゃないのがいい。
なにがなんでも復活したいシャインに対して、力が落ちている上にシャインを殺しきれないルヰのほうが弱くて、でもルヰはシャインのことをもう好きじゃないっていうある意味最強の武器があるんですよね。それがなんか余計な瑕を生んでるというか。シンとルヰについてフィジックな要素がないって話をしたけど、シャインはそのへんめちゃめちゃ物理的というか男性的というか、触れ方ひとつも自分の所有物かのように扱う。最初にシャインが出てきたときのルヰくんを座らせる力の強さとか二の腕を触る遠慮のなさとかもそうだし(デュオ曲の衣装はシンと踊るための衣装なのに、それを無遠慮に触る感じすごい酷くていい)、いきなりキスするし殺そうとするしこれだからM型は。シンくんとルヰのデートでのキスシーンは口元を手で隠して見えないようにしてたのに、シャインは隠しもせずマウストゥマウスで思いっきりいってるのが対照的。
ルヰくんがシンを守るために戦っていることはシャイン以外誰も知らないんですよね。誰にも知られずにシンを永遠に守ると誓うのがけなげで美しくて。ルヰくんの魅力って両性的な美しさとか浮世離れした立ち振る舞いとかいろいろあるけど、いちばんはきっとたったひとりで愛する世界を守ろうとする靭さなんだと思う。

・法月仁とルヰ

耽美がすぎる。いちいち絵になる。権力者と美少年が並んでる絵が好きなのでこの二人も完全に好きでした。ルヰくんの口元を撫でる手つき、10代の少年にしていいものじゃない……でもルヰくん実は1000年生きてるから受け入れちゃうんだな……。
プリズムショーに出られないくだり、「ごめんなさい」のあと思わず手をあげる仁をじっと見つめる表情がすごいんですよね……――は首を起し、潤んだような大きな目で僕の顔を見た。この訴えるような、侘びしげな眼、それは相手の同情と保護とを待ち受けているようだ。しかし何の表情もない…… (関係ないとこから引用すな)*1 その顔ひとつで激昂を静める美少年……。ルヰくんがいちいち話すこと耳打ちするの、ただならぬ関係っぽくてよかったな。そりゃあジョージもナニ?!ってなっちゃうよ。
ショーの途中で気を失うルヰくんを総帥ダッシュで抱き留めるところ、シャインがひとりで大きな音を立てて倒れるのとは対照的ですよね。しれっとルヰくんをお姫様だっこするのさすがでした。抱き上げられて脱力して頭が後ろにかくっと落ちる感じが本当にスイッチ切れたみたいで怖かった。あと顎のラインめちゃくちゃきれいね。仁はルヰに何が起きているのか理解できなくて、理解できないのに必死に名前を呼び続ける姿がいたましかった。ルヰくんの手を握ってルヰくんの胸元に当てるのを毎公演やってて好きだったな。
総帥の腕の中で眠るルヰくん、口元の造形が神がかっていて、気を失っていても口角が少し上がってるのがあまりにもお人形さんだった。薄く開いた口元から見える白い小さい歯まで完璧。横田くんって歯並びが可愛い。こんなに美しい人が急に倒れて目を覚まさなくなるのそりゃ怖いよね。分かる。その目を閉じた顔が本当に作り物のように見えることと、この美しい子を失うかもしれないことの恐怖。だからこそルヰくんが目を覚まして嬉しそうにほおずりするところ普通によかったねってなる。
客降りで総帥がルヰくんに跪いて手を取ってたのがなんかもうすごかった。あと千秋楽、SHB終わって捌けていくルヰくんを総帥ダッシュで追いかけてばって前に立ってエスコートしてたのもよかった。(幻覚じゃないはず。)このふたりの力関係が絶妙なんですよね。仁はルヰを支配下に置いている立場だしそういう振る舞いをするけど、同時に「最も多く愛するものは敗者*2」的なところが大きいなとも思う。
原作さらっと見た感じだと仁がルヰくんに向けているのは歪んだ自己愛なんだと思うんですが、舞台見てるとそれと本当の慈しみは切り分けられないものなのかもと思った。

・声とかパフォーマンスとか

幕が上がってすぐの第一声からひとことひとこと丁寧に話していたのが印象的でした。横田くんこんな声出るんだ?!ってびっくりするところがたくさんあった。プリズムの煌きを取り戻したあとのシンの名前を叫ぶとこ、ほんとあの声を毎公演安定して出せてて成長感じて泣いちゃう。
情報解禁されてから初日を迎えるまでに、横田くんがルヰという役を受けていいのかたくさん悩んだ話は色んなところで聞きました。「蒼井翔太さんの声がすごく高くてキレイで『僕とは真逆だ』と……。若手ですから本来はいただいた仕事を断るような立場ではないのですが、ファンの方の気持ちを考えたら、自分が演じるべきではないんじゃないかなとも思いました*3」「悩んで悩んでこのまま逃げるよりも挑戦したほうがいいんじゃないかとも思って。たとえ非難の声を浴びることになっても、ここで逃げたらずっとこういう役は演じられないままだから……。成長する機会をもらったと思って、挑戦することにしました*4」本当にこういうとこ好き(はい)。その言葉通り成長した姿を見せてくれた。役と声のギャップにどう向き合うかという話は刀ミュでもエーステでもしていて、声質を寄せることよりも役として嘘のない芝居をする、という方向で今まではやってきてた。おたくとしても舞台上の横田くん(物吉くんまたは咲也くん)が持つ情動が役そのものだと感じたから声質が気になったことってあんまりなかった。でも今回のパンフで初めて「声を考えつつ中身に魂をこめる」ということを言っていました。本当にそれができてたと思う。もちろん原作と同じ声は出ないんだけど、話し方の印象をかなり近づけててびっくりだった。「ジョークだよっ♪」とかすごいかわいかったね。私はもともと横田くんの情動直送の演技がすごく好きなんですけど、ルヰくんでずっと声を意識しながらの演技でもそこが失われてなかったのがすごく嬉しかった。俳優さんたちから役のことを大切にしている、みたいな褒め方をされていて、本当にそうなんだなって嬉しくなりました。お芝居の方向とか、新しい姿をたくさん見せてもらえた。
I know Shangri-La、予習でiPhoneに入れて聞いてたんですが、恋のキラキラがたくさん詰まってて好きな曲です。そんで踊りながら歌うの難しすぎる曲でもあると思う。歌いながらスキップするのむずすぎんか。でもなんか横田くんの歌い方は恋心が大きく膨らみすぎて手懐けきれてないほどという感じでまた良かった。振りや仕草の小悪魔感とは裏腹に歌に余裕がない感じが、どちらもルヰくんの恋の姿だと思った。
あとやっぱよこたくんはダンスの表現がすごく良い。この曲は両手でハート・両手首をとんとん合わせる(これめっちゃジッパー)・両指で口元を指す、みたいなアイコニックな振り付けが多くて、それに完璧に可愛い表情を嵌めてて可愛いがキマりすぎてる。目をぱちっと開いた表情からにこっと笑顔を見せるそのどっちもそんなにかわいいことある?!「♪花火みたいにはじけて苦しいの」この困り眉の甘えたような表情と身体を揺らす振りがあまりにも良くて可愛くて良くて。何回見ても初めて見たぐらい新鮮に可愛かった。この可愛さに対して公演数が足りなさすぎませんか?十分見たって思える日来るか?来なかった。
あとデュオ曲のソロパートは普通にめちゃめちゃ綺麗に出てる。泣いちゃった。歌うの楽しくなってくれるといいな。ルヰくんの曲はもっと聞きたい。デュオもプリズム1もどちらも途中でシャインとの会話になっちゃうから、シャインとのやりとりも好きすぎるけどちゃんと最後まで聞かせてほしいんですよね。

・美

美少年が美少年役してくれるのめちゃめちゃ嬉しい。横田くんが美しく生まれたことに意味のある役。ビジュアル発表される前からビジュアル最高なの分かってたもんね。
横田くんの色素が薄ければ薄いほど嬉しくなるおたくなので、本番でカラコン薄い色になってて大歓喜でした。きれいな色だよね~きれいなかたちの瞳に嵌まったカラコンは何色でもきれいなんですが。うるうるぴかぴかっていうよりは薄く透けるガラスみたいで神秘的。下から見上げる席位置で見ると扇状に伸びる上まつげがよく見えて好きでした。まばたきするたびにまつげがちょうちょの羽みたいだった。あと2.5メイクにしてはアイライン細いのか二重のラインが見えていいですね。前髪の隙間から見える下がり眉がめちゃめちゃ可憐。横田くん、目元や口元のパーツは甘い感じだけど、それを載せてる骨格がわりと直線的でくっきりしてて最強なんですよ。ゆるぎない靭い美。
二幕からの黒衣装、サイズダッバダバなのなんで?!採寸してないんか?!となってしまうんだけど、白肌に露出なしの黒い衣装が最高の話は龍よでも夏単でもした。周りが景気良く脱いでるなかきっちり肌守られてるのいいですよね。(ちなみに舞台のルヰくんのお風呂シーンなくて残念だなあと思った原作ファンのみなさんはぜひ横田くんの写真集を買ってください。シャワーシーンが美しすぎて神聖と生々しさの狭間でしぬので。)
今回に関しては横田くんのルヰくんは最高だという気持ちがあまりに強固なので積極的にパブサをしていたんですが、あまりお気に召さなかった旨の呟きでもだいたい「ビジュアルはいいけど〜」と前置きされていてさすがだなって。ビジュアルは誰が見てもいいからね、そこに立ってるだけで誰が見ても正解だからね。分かる。

26日の公演で急に千秋楽を迎えることになりました。聞いた瞬間に心がからっぽになった。悲しいみたいな感情もついてこなかった。なんでそんなことするの?って感じ。でもやっぱり始まったら舞台は楽しくて、みんな最後に力のすべて出してるのが伝わってきて、いつの間にか涙が出てたのはこれで最後だからじゃなくてみんなの芝居がよかったから。いつもあんまり声出さないで見てるけど、最後ばかりは自然とみんなの名前を呼んでた。停電のところ、いつもは倒れ込むルヰくんを定点してるから歌も参加できなかったけど、いつの間にか歌詞覚えてて最後はちゃんと歌えた。I know Shangri-la、いつも通り歌えていたのにシンくんがでてきて手を取ったときに感極まった表情をして見えたのがすごくらしいなって思った。いい千秋楽でした。
でも劇場を出た瞬間に辛くなった。終わり。6月には映像も出るし、きちんと出番をいただいているから見たいルヰくんはきっとちゃんと抜いてもらってると思う。でも本番を満足いくまで見れなかったって思いは一生消えないんだろうな。脚本演出を冷静な目で見てすべてを褒められるわけじゃないけど、それでも何度見ても疲れてても眠くても開演したらそれを忘れるくらい楽しくて、大好きな舞台だった。ルヰくんがいる必要のある物語で、制作がルヰくんのことを大切にしてくれていて、俳優さんもキンプリという作品を大切にしていて、俳優さんがおたくに見えるところで横田くんのこと気にかけてくれたり褒めてくれたりして、横田くんを初めて見る原作ファンの方にもたくさん見てもらえて、俳優さんみんな天才でルヰくんが毎公演最高に良くて……本当に嬉しかった。いちおたくが言うようなことじゃないけど、もっとたくさんの人に見てもらいたかった。なんでよりによってこの作品が最後まで走れないんだろう。この悲しみを癒せるのは再演または続編の発表だけだから本当にエイベックス様よろしくお願いします。「♪またきっとここで逢える、約束するよ待っててね」とか歌っておいて2年も待たせてたのどうかと思うよ?!ほんとに!!

*1:福永武彦「草の花」新潮文庫 62頁

*2:トーマス・マン「トニオ・クレーゲル」新潮文庫 11頁

*3:「ステージグランプリ 2020 winter」主婦の友インフォス(78頁の横田くんの写真が最高に良いです)

*4:「オトメディアステミュvol.8」学研

愛すべきsummer(2019年現場振り返り③)

ミュージカル「テニスの王子様」全国大会 青学vs立海 前編

原作:許斐剛 脚本:三井秀樹 演出:上島雪夫、三浦香 制作:テニミュ制作委員会
東京中日の平日でしたがキャン待ち立ち見まで出てるのにまずびっくりした。テニミュの面白さの核がなんなのかいまだにはっきりと言語化できないでいるんですが、今回すごく思ったのは、勝負の結末を知っているはずなのに一瞬どっちが勝つのか忘れてしまえるところ。S3熱かった。それから全国立海公演はやっぱり思い出せ越前の流れが好き。「お前は俺たちの希望の星なんだよ」トリオのパートは毎度うるっとくるよね。桃城くんに選ばれる子はどの代も好感度の高いまっすぐな演技をする子が多いなと思うんですが今回の大久保くんも例にもれず好きでした。
不二くん、前シーズンで同じ試合をした矢田さんに比べると強さが足りない感は否めないですが、vs仁王くんの試合においては逆にそれはそれでいいなと思いました。強く見えない人に負けてしまう感じが、仁王くんのほうがイリュージョンにかけられた感じで私の好みに優しかった。後藤くん、直近で見たのが地下ドルの給料カツアゲするDV彼氏の役だったり怪人化するやばいシスコンの役だったりしたので、仁王くんが普通にめちゃめちゃかっこよくて困った。
初めてプラチナにも目を向けられるD1でしたがジャッカルくんまじでかっこいい。関東のときはブン太くんや赤也が我の強そうタイプなのもあり、ひとりだけ優しすぎて心配になる感じがありましたが(それはそれで魅力だったし顔が常にかっこいいけど)今回すごい普通にかっこよくて。プラチナもゴールデンペアと同じ振りを踊ってるのすごくいいよね。あと柳生比呂士さん、ベンチメンバーにも関わらずその発声の輪郭の美しさがめちゃめちゃ印象に残りました。聞いていて気持ちいい。あれだけ大人数いて大隅くんの声だけは常にまっすぐ耳に届きました。大隅くん、一回噛んだら終わりぐらい緊張感あるストプレでぜひ見たい。
あとなんか埼理人さん、好きだよな……としみじみ思いました。人として好かれる人だよね。そういう人が大人の役割でいることの安心感。数年前の某俳優のバーイベでMCとして参加してたとき、用意されてたジンジャエールがすごい辛かったらしく、主役が客席で乾杯回りしているあいだにステージでひとりすごい顔してた可愛いやつを思い出したりしました。
ということで普通に楽しみはしたんですが、青学も10代目にもなるとキャラから逸脱しないでかつ個性を出すのってすごく難しいよねみたいなことは考えました。10代目の青学がどんなチームかというのはあんまりよくわからなかった。たぶんみんないい子なんだろうなとは思いますが。歌やダンスの技術にしても過去のキャストが多ければ多いほどハードルは上がるばかりで、かといってテニミュが求めるうまさには天井がある気がする。もちろん現青学の子もまだうまくなる余地はいくらでもあるなと思ったし成長物語に飽きることはないんだけど。何かしら印象に残るチームになるためには何が必要なんだろうと考えてしまった。個性ってたぶん一番難しいよね。

光芒のマスカレード~月光仮面異聞

脚本:木村純子 演出:樋口夢祈 制作:スタービートエンターテイメント
出演:鷲尾修斗 伊達達也 秋沢健太朗 成松慶彦 山沖勇輝 原野正章 樋口夢祈 ほか

身内の評価がめちゃめちゃ高いGEKIIKEやっと観にいけました。最近はネルケもマベもあまりオリジナル舞台やってくれないけど、やっぱ客席に座ってこれからどんな物語が始まるのか全然わからないわくわく感はオリジナルこその強みだと思う。色んな楽しみ方を許してくれる舞台だったなと思います。脚本家の地力をめちゃくちゃ感じました。俳優さん目当ての人も物語を楽しめて、俳優さん目当てじゃなくても俳優さんの良さを分かるというか。
DVDで見せてもらったほかのゲキイケ作品に比べるとわりとわかりやすいヒーローものではあったと思うんですが、現実世界のかけらがたくさん散らばっていて、物語層だけの物語じゃなかった。二つの正義があって、耽美な悪役がいて、身よりのない子供がいて、外道な政治家がいて、すごい王道なんですけど、その正義だったり政治家の発言だったりの根っこが世相を反映してるんですよね。お兄ちゃんの演説の台詞、お兄ちゃんがかっこいいのでうっかり納得しかけるけど言ってることバズツイのリプライ欄でよく見るやばいやつだもんね。こういう現実の問題を織り込んだ脚本ってきちんと毎日考えて生きている人にしか書けない。
この俳優さんにこの役というのがみんなすごくしっくりきた。おっきーさんサーカス団で出てきたときそうだこの人ウィランズだったもんね~!って納得感がすごかった。
看板俳優鷲尾さん、セーラームーン並の装飾を施されたタキシード仮面な月光仮面衣装にサーカス衣装に軍服にとたくさんお着替えしててどの衣装もよかった。何着ても映えるから楽しいだろうな。学校でもサーカス団でも月光仮面してるときもわりとずっとひとり大人みたいなポジションにいる気がしたので、新月仮面との共闘熱くてよかった。
伊坂さん。繊細さと男性らしい無骨さ併せ持った人。背が高いし身体の厚みもすごいんだけどどこかまだ子どもな感じが良かった。
とても顔のいいクアッカワラビーと聞いていた原野さんが普通にとんでもなく顔のいい成人男性でびっくりした。目が大きくて丸顔で小柄で、主人公顔ど真ん中なビジュアルの方が諦念も知っている大人の男性であるのがいい。前髪上げるとかっこよくなるタイプ。瞳が真摯で素敵でした。普通にかっこいいから劇中の犬いじりに乗ってくれるくだりのいい人感が5億倍。最期の会話のシーンがすごく良くて……1回目より2回目のほうが見ててしんどかったな。
堀田くん、慈愛いっぱいの笑顔が印象的でした。ああいう戦闘力がないジャーナリストの役ってうざい感じに転じやすい気がするんですけど、それがここまで好感度の高いキャラになるのすごい。いやまあ堀田くん実際戦うシーンあったら絶対強いけどね!階段上るときに見えるふくらはぎがガッチガチで良かった。曲中見てるとびっくりするくらい目を合わせてくださる。顔の似てる認知がいるのかなレベル。すごい。
秋沢くん、どこを取っても天才でした。徹底した立ち姿や動き話し方の女性的な美しさ、そしてなにを振っても笑いに変える頭の回転とノリの良さがすごくて舞台上にいるとわくわくする。東京支部こと客席にお前ら!って煽ってくるの最高でした。お見送りハイタッチでキャラとして接してくれたのも沸いたかっこいい。でも一番良かったのは莞爾さんの最期を見つめる表情の切なさ。美しかった。
莞爾さん、一言発するだけで明らかに只者じゃない貫禄を出してくるのがすごい。これは教祖。小柄だし表情も穏やかなのに不思議とめちゃめちゃ強キャラ。2対1で素手で戦ってるとこが強すぎて意味わかんなかった。応援上演で莞爾さんを応援してしまったのは許してほしいです。
あと当方子供を助ける生身の強いお姉さんという状況に大変弱いため、薫子さんが仮面に立ち向かうところは泣いてました。勇敢なお姉さんだいすき。ちえりちゃんもそうだし女の子みんな小顔でかわいくて手足長くて細くてそのうえ動けてなんかバレエとかできて振付までできて有能すぎる。
それから前回公演ではアンサンブルだった新人部の俳優さんたちが今回役名付きになったのも勝手に嬉しくなりました。優羽夏ちゃん、かわいくてピュアでいい子で幸せにしたいんだけど、おたくなんかが気を揉まなくても絶対に幸せになれるくらいいい子で、おたくは何もしてやれないのに優羽夏ちゃんはたくさんおたくに幸せをくれるからすごい……(訳:視線をひとりじめしてしまった上風船までいただいて爆沸いた)

RUN FOR YOUR LIFE

作:レイ・クーニー 演出:菅原道則 制作:アーティストジャパン
出演:山本一慶 七木奏音 花奈澪 ほか

山本一慶さんに奏音ちゃんに空夢くんにまじで顔好きなキャストしか……なんかルー大柴おるけど?!と告知の時点ですでにだいぶ面白かったランフォーユアワイフ。絶賛別現場中のお友達と「いや行きたいよな?!」となって当日券に駆け込みました。主演の一慶さんもカーテンコールで言っていましたが戯曲がまず相当面白い。古い戯曲なので時代錯誤に感じる部分もあるっちゃあるんですが全体通して満足感が勝ちました。
山本一慶さんの様子のおかしさが存分に生かされてて満足した。山本一慶さん、色白の美形だしどういう自分がかっこいいかもわかってるし瞳は橋〇環奈だけどまじで変な人だもんね。これはポジティブなオレ~↑ネガティブなオレ~↓♪♪とか歌いだしちゃうほうの一慶さん(朱日記アフト)(何年前だよ)。チョロQみたいななんかすげー動きで吹っ飛んでくやつとかシンプルにめちゃくちゃ面白くてこれはたぶん何回見ても笑っちゃうやつ。ほんとこの人新聞食べてるだけでなんでこんなに面白いんだろう。物販で新聞食べてる舞台写真売っててまた笑いました。そんな汎用性の高い紙買っちゃうじゃん。表情のうるささとか動きのやばさとか一慶さんの得意なところが全開で楽しかったし楽しそうでした。スタンリー(ルー大柴)にバックハグで愛を囁くところの表情がすごくて……。殺陣やアクションがあるわけでもないのにカーテンコールでは汗だくの全力っぷりでした。
ルー大柴さん、ゆうてわたしはテレビをほとんど見ないで育ったので「テレビの人だ!」みたいな感じは個人的にそこまでなかったんですけど、登場(すげーアメリカ国旗柄のバスローブ)(こちらロンドンコメディ)だけで笑いが起きてたのでまじですごい。嫌~な感じのおじさんだとも思うけど愛せてしまう感じの按配が絶妙でした。巻き込まれて大慌てしたりあらぬ誤解を受けてショックを受けたりっていうのがこんなに面白いのは大柴さんでこそ。
モリミュでは椅子で暴漢をぶん殴っていた奏音ちゃん、今回は鍵のかかったドアを体当たりで突破しててパワフルでサイコーでした。顔が良くて可愛い。バスローブもサテンのネグリジェも大人の女性って感じでめちゃくちゃ素敵でした。モリミュで買えなかった個ブロも無事手に入れましたくっきりした美人なので暗髪がとにかく似合う。
メアリー役の澪さん、叫ぶというか悲鳴を上げるみたいなところがけっこうあるのにその悲鳴が聞いてて全然不快じゃないのがすごい。状況的にそりゃ叫ぶわみたいに納得するのもあるんだけどまじで叫び声すら綺麗。淡い色の衣装がとても似合っていて可愛らしかった。
バーバラもメアリーも綺麗で上品な大人の女性だけど、根が子供っぽいというかひねくれてない感じがとても好きでした。普通に考えたらジョンスミスはまじで最低な男で女性二人はめちゃくちゃかわいそうな状況なんだけど、あまりそれを感じずにカラッと笑えたのはこの二人がめちゃくちゃパワフルで、そしてどれだけ取り乱しても魅力的な女性であることを失わなかったからだと思います。いや本当にどれだけ取り乱しても下品にならない。ずっとかわいい。すごい。
空夢くん!顔が好き!短髪がこんなにかっこいいのずるいな。空夢くんの顔声雰囲気すべてにぴったりすぎる役で……。ほんと容姿が光属性。刑事さんコンビ、尽くやばい方向に物語を展開させちゃうんだけど、二人とも真逆の方向にめちゃくちゃいい人でしかないのが面白い。生真面目で素直で貫目があってこれは出世頭!って雰囲気の人が誤解に誤解を重ねてるのがめちゃくちゃ面白くて。思えば空夢くんを観るのってテニスぶりなんですがこの作品で出会えてよかった。
鮎川さんが登場したとたんすごい舞台狭く見えて面白かった。三越劇場は客席に傾斜がほぼなくて、前列に男性が座られた私は常に舞台のど真ん中に樹齢500年くらいのサボテンが生えてるような視界でしたが、鮎川太陽さんだけはサボテンの後ろに立ってもお顔が見えました。傾斜の緩い劇場に優しい。地に足付いた安定感あるオネエ(ゲイ?)ですごく好きでした。オネエ感を笑いにしようと過剰に演じたりしないのすごく良かった。戯曲が古いので年配の人しか笑ってないようなジェンダー観が古い部分もけっこうあったんですが、彼だけは常にめちゃくちゃ21世紀だったな。気さくだし面白いし大人だしですごいちゃんとしたキャラクターだった。他の皆さんが混乱のあまり正気を失っていくなか彼だけは素面でいい感じに舞台を締めてました。いやほんとこれ下手な俳優には難しい役。そんなしっかりした人物像とは裏腹に全身に赤いペンキつけて出てくるだけですごい面白いのずるかった。でかい。

MANKAI STAGE A3!~SUMMER2019~

脚本:亀田真二郎 演出:松崎史也 制作:ネルケプランニング
とにかく天才の本田礼生さんとどんどん素敵になる野口準くんに毎公演泣かされた夏でした。本田さん、圧倒的にスキルメンで何でもできる人だけどそのうえでずっと情動で動いてる。「円、遊ぼう」の曲、特に転調してから(円の手を取ってから)がもう圧巻で。その全身指先まで彼の情動の意のまま、美しかった。椋と十座がふたりで斑鳩家に行ったあとのシーンが毎回大好きでした。いつも妖精みたいににこにこふわふわしてる三角が負担になるまいと笑顔を取り繕うのがけなげでいたいけで……。そんな本田さんの演技に真正面から応える野口くんもすごかった。椋の「大丈夫じゃないです!」で涙出ないことなかったな。あと彼笑顔がめちゃめちゃこぎ〇ゅんに似とる。すげーかわいい。からの劇中劇ばちばちかっこよくて困った。野口くんはかわいいもかっこいいもまったくわざとらしくないのがいい。劇中劇ラストのおじいちゃんに向けた台詞が声も表情の変化も良すぎた。
二幕、漣の音とねずみさんの朗読から始まり、河合さんの朗読の声の深さも夕陽色の照明も紙飛行機が描く情景も、そしてラストの花火もとにかくぜんぶノスタルジックで美しかったな。
前後しましたが一幕も瑞々しくてかわいくてよかった。アイデアが浮かばない、助けてと言えないって物語としては単純だけど、それがあんなに切々とした話になったのはただただ宮崎くんの頑張りだと思う。見てて苦しいけど愛しい。そして気持ちだけでなくかたちで相手の助けになれる三好くんすごくいい。幸の苦悩をキャッチーな100かわいい曲でやったの天才すぎた。あとあの曲の天馬くんを見て生まれて初めて陳内さんにかわいいという感情が芽生えた。あれはかわいい。
組曲一五一会に続いて夏組曲のテンションATTENTIONも良かった。好きな歌詞を書き出すと長々引用しちゃうので書かないけど特にAメロの歌詞すごく好きでした。ここで幸と三好、椋と三角がそれぞれ主演の劇中劇の役を模した振りをしてるのがすごく良い、かわいい。「素敵だなあ」の椋の表情が幸せに満ちてていちばん好きだった。ここからラストの盛り上がりいまでもすごく印象的。夏だったなあ。ブルスマの春だと至さんパートだった「続くよ」が夏だと椋になってて、その声の伸びの気持ちよさと、椋くんを注目させる夏のお兄さんたちがすごくよかった。あとここ十座くん面白いくらい誇らしげな顔してて好きでした。
そして咲也くん。夏組公演なので咲也くんの出番という面ではあまり期待していなかったんですが、見たい演技をしっかり見ることができて大感謝でした。晴翔くんに真正面から貶される咲也くん、こういうの実はすごく見たかった。佐久間咲也という男はこういう顔をして人の悪意を受け止めるのかっていう。靭さと、真っ正面から受け止めるしかできない弱さ。「オレはまだまだへたくそで」春夏でもあった台詞だけど、一年越しに聞くと響きが違って感じる。
関係ないけど伊崎くんと横田くんがしゃべってると令和のたぐいまれなるデカ目が二人揃った感がすごくて「この二人だけでおたく100人分の目のサイズある」「しじみ200個ぶんの力」って会話をした。
あと悪い先輩猫の横田くん、白肌に黒衣装がばちばちに映えてよかった。さすがねこちゃんの動きが板についてる。そして水兵役、黒髪ひっつめセーラー服がもう美少年ドストライク大正義すぎて。いや~エフェボスっていうのはああいうんだろう……。

終わらない夢の幕を(2019年現場振り返り②)

MANKAI STAGE A3!~SPRING2019~

脚本:亀田真二郎 演出:松崎史也 制作:ネルケプランニング
出演:横田龍儀 牧島輝 前川優希 立石俊樹 古谷大和 ほか

2019年の春、本当に贅沢で幸せな季節でした。また暖かくなったらこの作品のことを思い出すんだと思う。弱おたくなりに頑張った結果凱旋の後半動悸が止まらんかったけど、それでも毎公演絶対楽しくて毎公演感動が色あせなかった。物語も演者もぜんぶ良かったし、そのセンターに一番好きな俳優がいることがなにより嬉しかった。面白いとか面白くないとかって尺度じゃなくて特別な作品。
おたくのbioを席巻した「新しい季節にいま名前をつけるなら君がいい」「春夏秋冬と君」の大快挙のトキメキ歌詞を最初に春組が歌って観客として最初に聞くことができてなんかもう推しが春組でよかったと心から思った。「蕾に花が咲くように新しい春がきたよ」「色づいた世界の主人公は君だよ」「終わらない夢の幕を一緒に開こう」ほんと歌詞ぜんぶすごい。正統派なのに一発で覚えられる。
春夏の千秋楽カテコでぼろっぼろに泣きながら「僕のことはいいからみんなのことを愛してあげてください」と言っている姿を見て情緒ぐっちゃぐちゃになった。だからBlooming smileの「自分を好きになろう」「ひとりじゃないから、ここにくればいい」あたり、なんかまさに横田くんの口から聞きたかった言葉が出てきた感じだった。横田くんってはたから見てても誰と本当に仲がいいのかよくわからないけど、春組のみんなといるときは本当に幸せそうだなとおたくながら勝手に思います。カーテンコールで笑いのツボにはまっちゃって締められなくなったり、漫才中にマイクオフなのに笑い声が三階席まで聞こえてきたり、そういうのを見てるのがおたくとしても本当に幸せでした。
春組みんな好きで、特に古谷大和さんはすごかった。基本的に舞台上に推しがいるときは常に推し定点してるおたくですが、2幕劇中劇の大和さんにはさすがに目を奪われました。エスの表情(どこで笑っているか・どこで無表情になるか)をきちんと追うことでさらに見えてくる世界があった。
あとはせくしーにゃんにゃんことチェシャ猫さまに心を乱されまくりました。なにあれすごい…………かわいい…………何回観てもキャパオーバーのかわいさだった。体感3秒。いまだにあのかわいさを言語化できない。すごい。かわいい。かわいい。いやあ幸せだったな……。

ミュージカル「憂国のモリアーティ」

原作:三好輝 脚本・演出:西森英行 制作:マーベラス
出演:鈴木勝吾 久保田秀敏 山本一慶 平野良 ほか

マーベラスやるときはやるじゃ~ん!と謎に上から目線で感心してしまった。脚本演出キャストのビジュアル実力と舞台上のどこを取ってもめちゃくちゃ質のいいミュージカルでした。
久保田さんのお歌がめちゃくちゃうまくなってて驚きました。いや私すごい勝手にこの人はテニス卒業したらもう歌う仕事はしないんだろうななんて思っていたので(クロソマレは置いといて)、それがこんな歌えるようになってて本当にすごい。ちょっと見ないうちに美しくて歌えて演技うまい最強お兄さんになってた。ちゃんと練習したら誰でも歌えるようになるんだよな。鈴木勝吾さんはもう納得の主演。うまい。私基本的に曲を覚えることが壊滅的に苦手なおたくなんですが、彼の「あなたに裁きを」はあの声の圧もあり頭から離れなかった。声域どうなってんだこの人。山本一慶さん、ビジュアルよすぎてそこにいるだけで100点満点の美しさなのに最初の台詞の声が更にはっとするほどの美しさを叩き出してきてすごい。金髪眼鏡で貴族の山本一慶さんが歌うなら観たいな~ぐらいのモチベで来ましたが期待以上でした。ロイヤル・ロイヤル・ロイヤル。
ホームズワトソンコンビ、これ下手な人がやったら地獄みたいになってしまうと思うんですがそこはさすがの平野さん鎌苅さんでした。うまい。なんかもう普通にとんでもなくうまいから逆になんて言えばいいかわからん。脚長すぎて股裂けてないか心配になる井澤さんは相変わらずかっこよかったです。アクションありで井澤さんの得意分野を詰め込んだような役でした。赤澤くんのこういう寡黙な役は初めてみましたがめちゃめちゃいいですね。歌こんなうまいの知らなかった。
あと小南くんの役がたいへん私の性癖に刺さりました。(身内「だと思った」)ディキータマリモットの映画でも思ったんですけど小南くんの冷めきった瞳がとても好き。オタクが推しにやってほしいナンバーワンのサイコパス役だけどガタイがいいからちゃんと怖くていい。なんでも持っているけど精神の栓が抜けた美しい男というジャンルがすごく好きなんですが、そんな彼が周到に嵌められていくさまをこれでもかと丁寧に見せられてなんかもうありがたかった……。追い詰められていっさい反省せず死ぬところがプライドエベレストで最高でした。ありがとうございました。
あと奏音ちゃん!カテコがだいたいゼロズレだったのでかわい~って眺めてたらばちばち目が合ってしまい、めっちゃにこって見つめられて爆沸いて個ブロ買う~!って騒いだ。なかった。なんでだよ。(RUN FOR YOUR WIFEへの伏線です)

映画ディキータマリモット~いつまでも忘れないよ~

監督:堀内博志 制作:slf
舞台挨拶の回でしたが登壇キャストが捌けたとたん十数人の客が本編を見ずに帰るというヤバ映画でした。正直予告の時点で不愉快な気持ちになる映画なんだろうなという覚悟はしてた。実際そこまで無理すぎることもなかったけど普通によくわからなかった。なんか登場人物やたらとナレ死するし。最終的に「出番が一瞬でもお前ら輝いてるから頑張れよ」みたいなしらけた終わり方をした映画でした。それをTDCホールでメイン張ってる俳優たちに言われても……。
笑いを狙ってるっぽいところでほぼ全く笑い声聞こえなくてすごかった。財木くんが脅しでスタンガンを振り回したら自分の脚に当たって気絶するシーン以外は観客寝ちゃってたのかもしれない。「私もうおばさんよ」って言うおばさんに対して「あなたは出会ったときからおばさんでしたよ」って返す崎山さんとかわりと面白かったと思うんですが……。
ザコンの横田くんは好きでした。なんかウブで可愛かったし顔が美しかった。橋本祥平さんと大原海輝くんはエピソードもわりと良かったし顔も好きだったけど出番一瞬でした。荒んだ顔つきの小南くん、私は好きでしたが、上裸でモブ顔のモブ女数人と無駄にキスさせられててなんかかわいそうでした。帰りに「うちらの推しは被害少なくてよかったね」って言いあってる方がいて小南くんのファンではないことだけはわかった。いや古風なオタ芸とか地雷女に首ったけとかおばさんにそのへんのピアノクロスをドレスにして着せてダンスとかも被害っちゃ被害なのか。
舞台挨拶、小南くんと横田くんのふたりでしたが普通に特に仲良くはないのを隠さない感じが面白かったです。いやこれはこれで別にいいんだけど(というかこれまでのディキータのイベントがひどすぎたので平和で良かった)なんか若手俳優メインのオリジナル映画なんてもはやこっちも内容は期待してないし、イベント巡業で稼ぐならせめて最初からトークしやすい仲良し俳優をキャスティングしたらいいのにとは思う。

舞台「刀剣乱舞」慈伝 日日の葉よ散るらむ

脚本演出:末満健一 制作:マーベラス
ごめん全然面白くなかった……。
刀ステシリーズはこれが初めてでした。なんか前評判としてシリアス深読みのステ・キャッチーハッピーのミュみたいな風潮があったと思うんですけどいざ観てみたら物語も登場人物も単純というか知能が低くてびっくりした。開演して登場人物たくさん出てくるのにいつまでも物語が始まらない感じ。シリーズのほかの作品を見ていないなりに、たぶんシリーズで一番出来が悪いやつだなとは察したけど、それにしても登場人物の知能がこの程度で面白いお話になりうる?。
たくさんキャラクターが出てくるけど、物語の上でこの役割はこのキャラクターでなければいけないってキャラはほとんどいなかった。それでなんかこう、ひとりのキャラクターが何回出てきてもずっと同じようなことを言って同じようなことをしてる。そんなんだから磯野大さんがはぴどりから逃れられないんだよ!!!俳優のキャリアがばらばらなのもよくない方向に作用してた気がする。一言しゃべっただけで貫禄がすごいキャラとふわふわした印象のキャラがいて、そういう差がキャラの個性と合ってるわけでもない。
話のメインだった偽物がどうこうって部分が全然ぴんとこなかった。どこかの刀が偽物かどうかって私にかかわりある問題じゃない(というか普遍的なテーマではない?)から没入しようがないというか。これは原作ファンにとってはそうじゃないのかなとも思いますが。
色々言ったけど俳優さんそれぞれはきちんとキャラの立ち振る舞いを研究してたとは思います。あとは谷水くんの顔がとにかく好きでした。あとカテコが太郎太刀さんゼロズレで目があった?!と思ったけどこばりょ~さんと目が合うはずは、ない。(乱視の2.5俳優に乱視用カラコンは支給されるのか問題)
原作ファンか舞台シリーズのファンだったら楽しめたんだろうなというのは分かる。推しに出てほしくはないけどまあ出るはずはないし、何だかんだ行きたい人は行きたい回数入れてた印象だし、サンは森で私はタタラ場で暮らそう。

夢のようで泡のようで(2019年現場振り返り①)

ミュージカル刀剣乱舞 三百年の子守唄2019

脚本:御笠ノ忠次 演出:茅野イサム 制作:ネルケプランニング
出演:崎山つばさ、荒木宏文、spi、太田基裕、横田龍儀、牧島輝 ほか

まさかこの後の推しを見つけることとなるとは知る由もなく観劇した初演から早2年。早すぎ。初演は見つけたと思ったら終わっちゃったので(というかシンプルにくそよわおたくなので)一度しか観ることができなくて。きちんと面白いものを観るつもりでチケットを取ってきちんと面白いものを観ることができて幸せだったな。物吉貞宗というキャラクターも演技も三百年の子守唄という物語も私はすごく好き。知ってた。映像で初演を何度も見たけど、当たり前だけど目の前で生きている舞台を観ないと見たことにはならないなって。どこの席でもオペラグラスを持ってずっと物吉くんの表情を追ってました。大きな瞳に涙の膜が張る瞬間まで目撃できて満足した。ずっと美しかった。殺陣も歌もダンスも随所で成長を感じたけど、それ以上に初演で一番光ってた、生々しい情動を持って演じるという部分が変わらないのが嬉しかった。
ご本人も言ってましたが、自分発信でやっていたところがすごく楽しかったしちゃんと受け入れてくれるみなさんも心強かった。
あと大倶利伽羅くんとのデュエット曲すげーよかったね。どんうぉーりーに続いてすごく横田くんらしい歌詞だと感じました。2番全カットは意味不明ですが。
のちの雑誌のインタビューで公演中笑うのも辛いほど悲しいことがあったと知って、それでもいつも通り笑顔で舞台に立ってSNSの更新までいつも通りにやってた横田くんは本当にえらい。こんな言い方は絶対間違っているとは思いますが、辛い思いをしても立つ意味と価値のある作品だったように思います。

メサイア トワイライトー黄昏の荒野ー

原作:高殿円 脚本:毛利亘宏 演出:西森英行 制作メサイアプロジェクト
出演:山田ジェームズ武、宮城鉱大、長江崚行、山本一慶、橋本真一 ほか

メサイアシリーズの観劇は初めてでした。先に予習として現世代のDVDをおおかた見せてもらったのですが素直に面白くてびっくりしました。こちらの勝手なイメージで、メサイアシリーズっておたくが好きそうな設定の軽めのブロマンスなのかなと誤解していましたがそんなイメージの5億倍硬派に作られていた。物語の面白さは書き手の研究量と知識量にある程度比例すると思っているんですが、月詠のパンフレットだかに遺伝に関する参考文献がずらっと並んでいたと聞いて納得しました。世界観も物語も作り込まれていて出来がよくて、そりゃ面白いでしょ。観客に頭を使わせる部分はありつつ、決して観客を置いていかない(熱量で持っていくというのか)バランス感覚がすごい。
主演の山田ジェームズ武さんがもうかっこよくてかっこよくて美しくて高貴で圧倒されました。見た目が美しくて演技がうまい。ラストの雪のシーンがあまりにも美しかった。
万夜ちゃん役の長江くん、あのプロ感と同時に実年齢相当の可愛らしさ出してくるからずるい。早熟な子どものキャラ造形に惹かれやすいおたくなので万夜ちゃんのことだいぶ好きでした。なにより彼には彼を幸せにしてくれる人が周りにいるのがいい。
あと一人だけ脚を出していることりちゃんこと昴流くん、完全に私が好きな枠だしパンフの写真色っぽすぎて困った。どうにかして幸せになってほしい。
あとはTLを騒がせていた顔ランメサイアひなこぐの離別……とはいってもこれ書いてるいまは黎明を見たあとなんですが、とりあえず眼鏡を外して髪を下ろした小暮くんがめちゃめちゃビジュアルいいの勘弁してとなった。橋本さんのほかの作品はテニスくらいしか見たことないのですが、どちらかといえばいい子の役が多いのかな?こういう感じも合う。
あと最後に本編とは関係ないこと言いますがザリキングこと村上幸平さんのザリガニの歌、あれやばい。

MANKAI STAGE A3!~AUTUMN&WINTER~

脚本:亀田真二郎 演出:松崎史也 制作:ネルケプランニング
出演:水江建太荒牧慶彦 ほか

七尾太一くんのことも赤澤くんのことも完全にノーマークだったんですが、そこがもうめちゃめちゃ良くて泣くつもりなかったのに泣いちゃった。なんだろうな、七尾太一くんの「特別な人間になりたい」って願いって多くの観客も身に覚えのある願いなんだと思う。だから泣き崩れる太一くんを見るのは本当に辛くて、それを包み込む臣くんの優しさに涙が止まらなくなった。稲垣成弥さんすごく良かったな。歌も記憶よりずっとよくなってた気がする。そこそこ長身のみなさんに囲まれてるはずなのにその中でもとんでもなく脚が長い。見てください世界これが青7の男ですよ。
万里役の水江くん、エーステで見つかってこっから爆速で売れていくんだろうなあという感じがすごかったです。ルービックキューブ動画の時点で思ったけどほんとよく見つけてきたな。
あとは十座くんの時間経過の演出が印象的でした。冒頭、十座は舞台一階から二階にいる舞台衣装の椋を見上げる、物語進んで臣くんが一階から二階にいる稽古着姿の十座を見上げる、そしてラスト、私服の椋と舞台衣装の十座が同じ位置で話す。最後の帽子をかぶせてあげるところ問答無用で笑顔になっちゃうよね。
冬組は原作ストからして急にファンタジーな要素が出てくるんですけど、そこを歌にしちゃうことであまり客に色々考えさせずに進めるのがうまい。誉さんがめちゃめちゃいい子かつ頭良くて好きでした。モブ女子として出てきたれおくんがすごいイイ女で強くてサイコーでした。
身内での好感度がめちゃめちゃ高い伊崎くん、実力を買われてのキャスティングだなと思ったんですが顔もいい。ゴッド座の劇中劇までやったのはびっくりしました。顔出してるキャスト彼ひとりなのにゴッド座としての説得力のあるものを作るってハードル鬼高いはずなんですがきちんと挑んでやり切ってたのすごい。
誰と一緒に見に行っても楽しい舞台ってすごいなと思います。エーステというシリーズがこれからどういう歩みをするのかすごくすごく楽しみです。

2.5次元ダンスライブ『ツキウタ。』ステージ 第8幕『TSUKINO EMPIRE -Unleash your mind.-』

脚本:ふじわら 演出:野元準也 制作:ムービック
出演:校條拳太朗、松田岳、竹中凌平、上仁樹、輝山立、横尾瑠尉、TAKA、土井一海、鷲尾修斗、秋葉友佑、佐藤友咲、三山凌輝 ほか

ツキステのおたくにお誘いいただきました。今公演でキャストの卒業があるだろうということで最後を惜しむ身内の横で私はわりとシンプルに楽しんでました。終演後の飲みで現キャストの思い出などもたくさん聞けてそれも楽しかった。
校條くんとTAKA様に黒と白のロイヤルな衣装着させてる時点で100点。どんなきらびやかな衣装を着ても俳優の顔がぜんぜん負けない。すそを引きずる丈の衣装着てるときのTAKA様、顔地面から遠すぎて衣装の下で浮いてないとおかしいレベル。そんなTAKA様の衣装のすそを持って追いかけるたいへん顔のかっこいいスパダリ土井さんも100点満点でした。短髪でこんなにかっこいいのずるい。軍服のビジュアルがみなさんとんでもなく良かった。並んで立つと壮観でした。軍服のりっかちゃんさん、とてもウテナで美しかった。
連れてきてくれた子に脚本が虚無と脅されていましたがまあそこまでではなかったです。普通に先が気になる展開は作れていたし広げた風呂敷は大方畳めてたと思う。キャラクター同士の慕い慕われる、愛し愛される関係性がシンプルに良かった。キャラもキャストもみんなすごい生き生きとしていて、キャラのこともキャストのこともあまりきちんと知らずに行ったなりに何となくどちらのことも把握できたような気がします。ろまたんぶりの磯野大さんと栗田さんもね、めちゃくちゃ面白かった。あ~きのっ♪
ライブパート超楽しかった~!見ていて良かったジェムクラブに出ていた松田岳さんのダンスがしなやかで好みでした。ラストのツキノウタめちゃめちゃ楽しかったな。客席、コール完璧でいい空間だった。見よう見まねでしたがお名前呼べて楽しかった。
ファンサタイムは2回見に行って2回とも連れがファンサ被弾しててすごかった。ファンサする気ある人が3人しかいないみほとせに慣れてると手厚さに感動したというかどうせ客席降りするならこれくらいちゃんとしないとやる意味なくない……?と唐突に自現場に虚無るなどしてしまった。
ツキステシリーズはキャストの自由度が高いのが楽しそうでいいなと思いました。MCのわちゃっとしたところ普通に俳優さんの名前出たもんね。原作オタクが口うるさくないのいいね~とお友達に言ったところ「その手のオタクはすでに淘汰された」らしいですが、それでも毎度キャパ広げて続けられてるのが答えだよね。進行役だった鷲尾さん輝山さんはじめ、キャストに頭の回転が早い人が多いんだろうな。だから自由にさせてもちゃんとバランスを保ててる。
これは舞台を降りてもそう感じるけどキャストのみなさん自分の武器をしっかりわかってる人が多い。自分の武器もファンが求めてることもよく分かってるし、それをやっていやらしさというか媚びてる感じが全然ないのがまじですごい。自分が楽しくてやってますって感じでおたくの嬉しいことしてくれる感じ。
土井さんがツキステでも相変わらず天然全開で勝手に嬉しくなってたんですが、いつのまにか土井ジュニアなる方(TAKA様)まで爆誕しててにこにこした。マグロのくだりわけわかんなすぎてめちゃめちゃ好きでした。天然が生き生きできるカンパニーはいいカンパニーだよ。あと三山くんの小顔で手足長くてダンスうまくて笑顔が人なっつっこくてぐいぐい来る感じが最強の子供って感じで強かった。
ところでツキステ先輩はどの2.5より先にステラボールを使ったのに、一回きりでステラを捨ててアンフィでやれてるのほんと羨ましいんですけど?!?!ていうかステラでやってた紅縁だってちゃんと端の端までステージ作ってくれてたし……紅縁最端だったけどぜんぜん海外じゃなかったもん……ネルケもマベもいつまでもオタクがステラを許してくれると思わないでほしい。

MANKAI STAGE A3! SPRING&SUMMER キャスト雑感

エーステ春夏、感想・舞台を見てキャラについて思ったこと・俳優さんについて思ったことなど。もうすぐ2020年になりますが、春単独でも夏単独でもなく春夏公演の感想です。


夏組

三好一成/赤澤燈さん

とにかく場を持ってく力がすごい。あのハイテンションと小ネタの面白さで全部持ってく。圧倒的に明るいオーラでどんな相手にも臆さない感じが良い。舞台をガツガツ動かしてる感じ。
三好登場シーンの勢いがどんどんすごくなってて楽しかったです。凱旋公演になると真澄を袖に追いやったり綴を引き倒したりしててこの三好本当に強い……!って思ったし、そういう部分があるから弱さを見せたときのギャップがいいんですよね。
舞台で見て改めて、三好は他人に怒ったり言い返したりできない弱さのある人なんだなって思った。ずっとどんな相手にも恐れずハイテンションで絡んできた三好が、天馬の一言には「えっと……」しか返せない。真澄に面と向かってうざいって言われても楽しく振る舞い続けたのに。喜怒哀楽のオーディションも、怒だけ面白い感じになってるのは三好に怒るという引き出しがないからかなと思った。他人に怒れないって、嫌われたくないからとか深く相手と向き合ってないからとかそもそも悪いのは自分だと思ってるからだとか、要因は色々あると思うんですけど、なんかそういうところがごくリアルな人間なんですよね。それまでの三好の振る舞いからするとあそこであの反応は意外に見えるけど、普通の人だったら天馬みたいな人に真っ向からあんなこと言われてすぐには言い返せないのは普通だよね。
改めて天馬に手を握って、友達だし、と言うところ、両手で天馬の手を握るためにずっと持ってたスマホをいったん置くのがいいですよね。スマホ持ったまま手を取るわけにはいかないので自然な仕草なんだけど目に止まるとはっとする。
円陣のシーンはほんとに良いですよね。演者もリアルに天馬の(陳内さんの)鼓動を手のひらで感じてる、すごいリアルさを感じられるシーン。こんな円陣を思いつくことのできる三好一成さんの明るさが本当に好き。
ダンスが楽しそうで好きです。特に劇中劇のダンスは三角と動きが対照的で良い。ダンスうまい二人が違う感じの動きをしてるからダンスをあまりしていないキャストも浮かない気がする。エースリーで必要とされるダンスは揃ってるとかそういうのではないと思うし。
すでに死ぬほど言われてると思うけど、ともるさんのやってた「回転する夜」のノボル役を三好くんにもやってほしい。絶対合う。

 

斑鳩三角/本田礼生さん
れおくんに三角がハマり役なのは何なら見る前から分かってたけど、それにしても期待以上でした。身体能力の高さ、ハイトーンの声、青系カラーに愛されているお顔立ち、最適解のキャスティング。
あの話し方も感情が滲んでいて幸せそうで聞いてて心地よい。彼がいるとぱっと場が明るくなってシリアスなシーンもドン底にならない。劇中で三角自身が言われている場を締める役割ですよね。見る前は三角くんのド変人な感じが舞台でどうなるかと思っていたけど普通に受け入れられた。三角星人であることに一切手は抜いていないんだけど、それがいい感じに場を和ませてる。仲間が落ち込んでるようなときにすぐ寄っていって彼なりに元気づけようとする感じが優しくて可愛い。常に全員の味方でいる感じが妖精っぽくていい。それがあるから夏組が喧嘩してても見てて本当に辛くはならないというか。あと曲中で天馬に変人!って言われたときの「え~?」って不服そうな顔がなんか可愛くて好き。自覚ないんかい。
キャストサイズのインタビューで「三角くんはファンタジーなキャラクターだからこそ自然体で演じることを心がけた」というようなことを言っていて本田さんは本当に……すごいなあ!(語彙ゼロ)
円陣のシーン、天馬の胸を叩く力の強さが、力加減を知らない子どもみたいにも見えるし天馬への信頼の表れにも見える。天馬と三角くんのあいだの演劇初心者でない人同士の信頼感というか相棒感みたいなものがあるように見えてすごく良いな~と思った。
で、めちゃくちゃ褒めたいのは演技スイッチが入ったときの演技の貫禄。私れおくんのことをテニスとジェムとチャックアップを少ししか知らなかったんですけどあんなすごい人だったんですね?!あの艶のある低音の声と通常三角の声のギャップすごい。歌も安定してるし、更にそこから悪い王様役の演じ分けもすごい。あと監督との面談のところでじいちゃんの声になるところがほとんど間を開けずにふたつの声を出してるのがすごいんですよね。ただ低い声じゃなくて温かみがあって芯のある声なのが良すぎて。本田礼生さんのいいところを生かせすぎている。
魔人役が本当にとにかく華やかで目を惹かれる。表情も動きも人らしくない美しさ。ダンスもアクロバットも動きがすごいだけじゃなくてなんか上品。魔人の衣装は首の後ろ側がすっきりしてるので長い後ろ髪がひらひら揺れるのが色っぽい。れおくん、ひょろっとしたイケメン兄ちゃんに見せかけて色気出すのが得意すぎるんですよね。(観ていて良かったジェムクラブ)(desireの圧倒的イイ女感)あと千秋楽のソロパートのアレンジ「♪おじいちゃん、演劇は……面白いっ!」ここ本当に良すぎて見終わったあともずっと頭に残ってた。
あとどっかの公演で後アナ盛大にとちってたのが本編が完璧なだけにめちゃくちゃ可愛かったです。
あとこれは普通にれおくんの話ですが、この方しっかりしてるのに褒められるとすごい素直に照れるのがとんでもなく可愛いですよね。物怖じしないけど謙虚でだいたいのトークは彼に任せておけばなんとかなる安心感がある。


向坂椋/野口準さん
椋くんはちょっとでもあざとさが見えると可愛さが別物になってしまう気がするので、むしろ可愛こぶるほうが苦手そうな子がきてくれてよかった。あのおどおどした感じを見ていても全くいらいらしないのは演技にまっすぐさというかシンプルさがあるからかなって思います。椋くんはもちろんだけどむしろシンドバッドとか劇中劇のキャラがより生きそうな俳優さんだなって思う。
落ち着いた優しい感じの声が良いですよね。素朴だけど美しい響きを持った声。お顔が本当にまだ子どもって感じでかわいい。10代の成長途中の男の子の頬の丸さは尊い。キャラ的に同い年の幸さんは丸みの少ないすでに完成された感じの顔立ちをしているので、そのあたり好対照で良いなって思います。(まあ俳優さんでいえば年齢差はけっこうあるんだけど。)エーステがどれくらいのスパンで公演を続けていくのかは分からないんですが、原作の椋くんの成長に合わせて役者さんの見た目も大人っぽくなっていきそうで楽しみです。
幸さんが椋くんの前で泣いてしまうシーンはまず原作からして本当に素晴らしいんですけど舞台でもやっぱり良い。幸さんに肩を貸してただ優しく声をかけるその画にシンプルに待って椋くん王子様じゃん……!ってなったんですよね。スカートを履いてる幸さんに対して普通にかっこいいと言ってるのが、見た目じゃなくて本質を見て評価できる子なんだなって、そういう椋くんのスピリットがすでに王子様じゃない?天馬くんのことだってオーディションの時点で椋くんに対してきつく当たってたのに、それでもその人を経験を鑑みてリーダーに指名できるの実はすごくない?ビジュアル的に王子らしい雰囲気の人がごろごろいるカンパニー内で、幼くて可愛らしい椋くんがきれいな心で王子様に憧れていることが美しいなと。あとゲームは無音でやることが多いので改めて「むく」という名前の響きがすごい。

劇中劇がほんとに生き生きしてて楽しそう。それに本当に客席をよく見てる。まじで目が合う。この若さでこんなに客席に目を向けられるのすごい。
あと急にDVDのバクステの話をしますが、最初のビジュアル撮影のときド緊張しててなんなら七五三の写真撮影かな?くらいになってたのに(かわいい)、東京凱旋のときにはもうみんなに構って構われてにこにこしてるのが本当にかわいいし嬉しくなっちゃった。野口くん自体普通にしっかりしてる子だとは言われてるし椋の印象よりはずっと大人なんだろうけど、でもやっぱ普通に最年少のかわいいとこぜんぜん出ちゃってるからね。すくすく育ってほしい。

 

瑠璃川幸/宮崎湧さん
幸さんは三次元化されたことによってどういう子なのかきちんと理解できた気がする。お顔立ちは女の子っぽいというよりはしゅっとした美形。宮崎くんのお顔のポテンシャルならメイクの次第でもっときゅるんとした顔にもできると思うんですが、幸さんのメイクは他のキャストとほとんど変わらないですよね。(まつげしっかり上げてるのなんかは椋くんもそうだし。)ズボンを履けば綺麗な男の子に見えるし(エンディング衣装はそう)、スカートを履いてる姿はお人形さんみたいで可愛い。ただ自分が可愛いと思う服を着てるだけなんだと思った。勿論可愛い服に見合う自分であることは強く意識してると思うけど。このジェンダー観がさすが21世紀生まれのキャラクターですよね。いつだったかファッショニスタ若手俳優がメンズ服はパターンが少ないから色んな女の子が羨ましいみたいに嘆いてるのを思い出したりした。
東京公演のどこかで幸さんが担当した前アナが素晴らしかった。「みんな可愛い服着てきた?……これコールアンドレスポンスだから。みんな、可愛い服着てきた?」(客席拍手)「俺も負けないくらい可愛い服で行くからね」美しくて強くて高嶺の花みたいな幸さんに不思議と親しみみたいなものを感じた。幸さんは常人離れして美しいし強いけど、かわいいものを見たい作りたいっていう、客席にいる私たちの多くも普通に持っているときめきで動いている人なんですよね。
舞台の幸さんは原作よりも不器用で一本気な印象が強い。というのも天馬の俺様に対して原作だと呆れたように言ってた台詞を怒鳴るように言っているところが多くて、それが三好や椋くんみたいな、他人に怒ったり言い返したりできない人のぶん怒鳴ってあげてるように見える。そしてそんな強くてかっこいい幸さんだからこそちょっとイタズラ好きな感じがまたいいんですよね。勝ち気な笑顔がとんでもなくかわいい。
声が感情に揺れやすい感じが特に劇中劇でよく生きてると思います。ベテランの天馬に対して初心者の幸さんが気持ちで釣り合おうとしてるように見える演技。気の強さと対照的に、眉を下げた切なげな表情が可憐で可愛い。
宮崎くん自身が話してるところを少し聞いた印象だと、言葉を知ってるし頭のいい人なんだと思います。それでも本人はあくまで謙虚に必死にとやってるバランス感がすごく良い。宮崎くんを推してるお友達が湧くんはダンスが苦手で~ということを気にしていたんですが、そこは愛しさポイントだと思う。

 

皇天馬/陳内将さん
天馬は演技で周りを圧倒しないといけない役だから、きっと他のキャストよりキャリアのある人が来るんだろうなとは思っていて、だから陳内さんが選ばれたのは驚いたけど納得したんですよね。ビジュアルは相変わらず美しいしちゃんと演技で圧倒できる人。けどそれ以上に陳内さん自身が本当に天馬であろうとしているように見えてそれに一番びっくりしました。今日は特に感極まっちゃったのかな、ってくらいの泣き方を毎公演してて。2.5出身の俳優でもキャリアを積んだら2.5は卒業してほしい的な風潮も大きいなか、銀劇より大きい舞台にだって映像にだって出てる人なのに、A3という作品に本当に入れ込んでくれていることが嬉しかった。東京京都の各公演のカーテンコールでも、天馬の言葉にも陳内さんの言葉にもどちらにも取れるような内容を一貫して(それでいて内容を変えて)話していて。A3という作品が舞台化される意味を色々と考えてやってるんだろうと感じました……と、長々と書きましたが別にわたし陳内さんについてそんなに詳しいわけではないので普通にどんな舞台でもそういう感じなのかもしれない。
稽古がうまく行かず咲也に相談するところ、みんなで協力したほうが~という流れで「それぞれがベストを尽くすのが一番大事だろ」こういう台詞が出るところがA3の良いところ。ただのわがままじゃなくて、ずっとそういう環境でやってきた天馬にとっての当たり前なんだとわかる。またそう考えるとまず三好くんに対して「誰にでもいい顔して~」と言ってしまうのも、子どもの頃からずっと学校行事や友達よりも仕事を優先してきた天馬くんだからこそ(そしてそのキャリアを誇っているからこそ)、稽古場で友達がどうこう言われたのに怒ってしまったんだろうなと。本当にここの流れ、まず原作があまりにも天才すぎる。
合宿曲もキャッチーでありながらきちんと段階を踏んでいて好きです。舞台2階から下に降りた子たちに指摘をしながら「なんでなんだ、リーダーってなんだ」から咲也の台詞を思い出し、階段を降りてみんなと同じ高さに立つ、ダメ出しだけでなく良いところも伝える、夏組のメンバーが天馬を見直してからの「なんでなんだ、この気持ちはなんだ」、夏組全員が加わって「少しずつだけど何かを感じてる、仲間という絆」。このときの天馬くんの表情がまだすこし戸惑った感じなのが良い。
これは夏組全体の話ですが、キャリアに差があってもみんな芝居のラインが同じ?というか……劇中劇は別なんですけど、普段の劇団員のお芝居のとき、変な貫禄を出してる人がいない?というかちゃんと同じ世界観で生きているというか。うまく言えないんですが。それがすごくいい。
あと陳内さんは舞台の外でもファンが求めてることが分かりすぎなくらい分かる人だと思うんですけど、そういうファンサービスをするときにさりげなさゼロなのが逆になんか愛嬌だなと思う。

 

🌸春組🌸

・シトロン/古谷大和さん
まず求められることではあるけど、あの癖の強すぎる喋り方を完全にものにしてたことが普通にめちゃくちゃすごい。劇中で雄三さんがシトロンに「外国人が日本語の台詞を頑張って言ってると思った時点で客はさめる」ということを言っているけど、これはシトロンを演じるキャストにもそっくり同じことが言える。日本人が頑張って外国人のふりしてるって思わせちゃったらだめなんですよね。これを劇中で言われることのハードルの高さやばいと思うんですがそこらへんあまりにも完璧すぎた。劇中劇中と対支配人の受け答え以外、アドリブ含めほんと一秒もシトロン語がブレなかった。
春組はあまり小ネタをぶっこめる子がいないので安定して盛り上げられる人がシトロンで良かった。盗み聞きは〇〇の刑とか雨降って地固まるとか、ほぼ毎回違うこと言ってるしちゃんと毎回受けてるのすごい。雨降って地固まるシリーズはアメフット五郎丸がナンバーワンで好きでした。あと三好登場のシーンの何か新しいこと~はUSAを踊りだしたやつが一番沸きました。
めちゃくちゃ面白いし春組の飛び道具だけど母性的な優しさがにじみ出てる。シトロンって子どもみたいに無邪気だけど、みんなどこか未熟な春組のなかで根が一番大人というか、原作2部まで読むと本当に色々経験してる人だし、達観したような部分があるんですよね。至が辞めると言い出すシーンでシトロンが至を庇うようなことを言うのも、シトロンはこの5人がずっと一緒にいられると本当に信じてはいなかったからかなって。
結果的にかもしれないけど、春組のキャスティングは特にまず本人の性格がキャラっぽいこと(テニミュ式に言うと本人がキャラクターの種を持ってること)を重視されてるように感じるんですが、シトロンも大和さん本人が持つ大人っぽさや見守り力がめちゃくちゃ滲み出てて良かった。「これからたくさん知っていくね、お互いに」優しすぎて好き……。
春組メンバーの素を知れば知るほど精神的に大人な人がまじで大和さんしかいなくて
あと色んなインタビューで「舞台が」好きだと言ってくれるのが舞台のおたくとしてめちゃめちゃ嬉しい。
あと男の顔の好みがまったく合わないお友達と、大和さんの顔が好きって合意できたのすごかった。好みを超越する顔の良さ。なんの奇跡でこのEラインが自然と生まれるんだ。


茅ヶ崎至/立石俊樹
ちゃんと推してる人とは違う印象だとは思いますが、私から見た立石くんは本物の天上人なイメージなので、外面の至さんは完璧だろうけど素の至さんをどう演じるんだろうってあまり想像つかなかったんですよね。
そこのあたり、前半の公演と凱旋公演でかなり印象が変わったなと思います。東京公演までは「殺すぞ雑魚(響きが美しい)!!!」って感じでそれはそれで好きだったんですけど、凱旋公演でそういう台詞がすごいしっかり響くようになった気がします。(突然別作品の話をしますが、私は立石くんが全国立海のS1の幸村くんをどう演じるのか全然想像できなかったんですが、この凱旋公演を見てそれも俄然楽しみになりました。)喋り方にオタクっぽさが出るようになって、至さんというキャラのそういうギャップの面白さが伝わりやすくなったかなと思います。
CDジャーナルのソロインタビューで立石くんが至さんについて話してる内容が良かった。私は原作1部のストーリー読んだときに至さんってけっこうどうしようもない人だと思っていたんですよね。至さんが辞めると告げるシーン、「こういう咲也との温度差もあるしさ」この台詞本当に大人げなさすぎるしひどすぎる(台詞として効果的すぎて原作がド天才でもある)。からの「辞めてもみんなのこと応援してるから」本当にずるい。
でも舞台を見てそのへんも印象が変わりました。ひとり不純な動機で劇団に入ってしまった至さんが一度辞めるという決断をすることがすごく自然な流れに見えた。その記事で立石くんが言っていたことは、至は社会人で物事に対する責任というものを分かっている、このときの態度は春組のみんなへの思いやり、みたいなことでした。それがすごく腑に落ちたんですよね。(CDジャーナルのインタビューは他の話題も全文引用したいくらい素晴らしいので読んでください。私推しが載ってない雑誌すごい久々に買ったよ)
家族エチュードの内容が普通にすごいんですよね。実際酒癖悪くてギャンブル癖があるような父親なんて別れたほうがいいはずじゃないですか。でも!それでも!お父さんと一緒にいたいっていうのが本当に理屈じゃなくて良くて。
至さんはなんだかんだ一生懸命な春組メンバーにとって自分はいらないしいなくても大丈夫って思ってたかもしれないけど、そうじゃないんですよね。だってたとえそれがどんな人間だって家族は家族だから。特に咲也は、どんな人でも家族がほしかったから。
雄三に胸ぐら掴まれて怒鳴られてるときの反応がすごいいかにもゆとり世代の人っぽくてなんか好きです。至さんはめちゃくちゃ美しい容姿で生まれておきながらこういうときの反応が普通の人間なのがいいですよね。真澄とかそういうところの反応は新人類だし。
ディボルトの歌い方がすごく好き。「気安く話しかけるな、殺されたいなら話は別だが」この辺カ行の吐き捨てるような歌い方が好き、かっこいい~!
客席降り、何度か近くに来てくれたけど、すごい外面の茅ヶ崎さんという感じのおたくを寄せ付けない微笑みであまりにも高嶺の花で最高でした。カーテンコールで片手を胸に当てた貴公子な礼をしてるのが素敵でした。

 

・皆木綴/前川優希
顔小さくて脚が長くて、スタイルの平均値がおかしい舞台上にいても更に目を引くほど常人離れしたスタイルの良さ、なのに顔立ちがあどけないのが可愛い。あざとさのない、リアルな頑張ってる男の子の可愛さがあって、なんか回を重ねるごとに目が離せなくなる子。はにかんだ感じの笑顔がすごい可愛いんですよね。
皆木綴ってキャラ自体、色んなテイストの面白い脚本を生み続けるド天才でありながら本人は自分が普通の人間だと全く疑わないのが面白いですよね。原作を読んでたとき、綴みたいな子が脚本家なことに何となく違和感があって、だって脚本家ってだいたい変人じゃないですか。変人故に社会に迎合できない人たちの強いフラストレーションによって創作物が生まれるみたいなとこあるじゃないですか。でも綴はそういうタイプじゃないんですよね。OPの歌詞でも言ってるけど彼の綴る言葉は夢なんですよ、素敵なものを作りたいって思いで創作してるのあまりにも眩しい~!!!!し、そういうタイプの作家って一番天才だと思う。
「大好きな家族」って普通に言えちゃうのもいい子すぎてびっくりする。ムカついたりイライラしたりっていうのを普通に見せる子なのに、根が光属性すぎる。
ゲーム内の皆木綴くんの劇団員ブログが特別なことを書いてるわけじゃないのに好感度500%って感じですごく好きなんですが、前川くんのSNSもまさにそんな感じ。年上ばかりの春組キャストのことを可愛いって言うのもそうだし、「家族写真」とか「大好き」とか衒いなく言える感じがまんま綴だなと。
ツッコミは回を重ねるほどに生き生きとしてきてるように感じる。シトロンの雨降って地固まるシリーズ、突っ込みも日替わりでバリエーション変えてきてるのが良い。前川くんもがしっかりすればするほど大和さんがやりやすくなる感じが見てて楽しかったな。
客席降りでニコニコ嬉しそうにあっちこっち見ながら手を振ってて可愛かった。ちゃんとボックス席も見てくれてる。ボックス席のほうが高いから柵のあいだからすげー笑顔で顔覗かせてきててすごい可愛かったんだよね。近くを通るとマイクを通さない歌声がめっちゃ聞こえてきて大きい声で歌ってくれてるのこっちがにこにこしちゃう。


・碓氷真澄/牧島輝さん
真澄くんも舞台を見てまた印象が変わりました。原作はとにかくずっとブレない頑ななイメージが強かったけど、舞台だと感情が揺れる・戸惑うような部分が印象的でした。まずOPソロパートの歌詞が良いですよね。「♪ひとりにずっと慣れてきたから戸惑う毎日」ってさあ戸惑ってたんだ?!きみ戸惑ってたんだね?!かわいいな?!
春組のみなさんはやたらとスキンシップ激しいんだけど、触られてる真澄くんの感じがなんか好きでした。雄三さんのタメが長いところ、咲也に肘を掴まれてその肘を居心地悪そうに上げたときがあって、ついに振り払うのかなって思ったけど振り払わずそのままだったのが可愛かった。咲也との殺陣稽古のあと監督とのあいだに割って入られたときのちょっと焦ったような「お前じゃない」、可愛い。
原作だと相当やべーやつだけど、舞台で見るとすごいまとも。どこをフォーカスするかで印象ってこんなに変わるんだな。稽古中の指摘も別に間違えたことはなにも言ってない。むしろ真澄いなかったら春組やばかったのでは……?良い舞台のためにってところをこの時点でちゃんと考えられてる。春組のストーリーは、春組の公演を成功させるための物語とメンバーが居場所を見つけるための物語が同時に動いてて、そのふたつの軸が徐々に重なっていってる。真澄はずっと舞台を成功させるために動いてるけど、それがいつの間にか共演者のために、に重なっていく。
だから至さんが辞めるって言い出したとき、すぐにエチュードに参加するし、咲也の殺陣を教えてあげられる。ふたりの殺陣稽古のシーンの神聖さが本当にすごくて……。劇伴、きれいな音楽なんですけど、途中で鈴の音が加わるのが神事じみていてすごく良い。神様は鈴の音を聞いて降りてくる。
殺陣稽古や劇中劇で咲也くんと交わす視線の熱さが本当にめちゃくちゃ良い。咲也と真澄って劇団に入らなければきっと関わることのなかった人たちで性格も正反対で、でも演劇を通せば障壁なんて全くないところで繋がって分かり合ってる。(横田くんと牧島くんもそういうところはある気がする。)
横田くんと声の相性がめちゃくちゃいい。歌安定してるし、邪魔しない優しい声。
回を重ねるごとに監督へのアピールが増えてて、それが受けてるし可愛いのが良い。(あとこれは誰かの地雷かもしれないので薄めの文字で書きますが、A3という作品がこれから続いていってもゲームの性質上彼が監督と結ばれることは恐らく公式ではないんだよな、ということに気がついてから俄然好きになってしまった。振られ属性の美少年が大好きなので……。)


佐久間咲也/横田龍儀さん
冒頭の「空っぽだった劇場が~」の独白からもう大好きだった。6月28日の初日、前アナでまずいきなりトチるしそれはもうすごい緊張が伝わってくる声で、でも冒頭のこの台詞はそういう緊張のまま横田くん自身の感情で言っていい台詞だと思う。咲也のときの横田くんは薄い身体からびりびり溢れるような情動がいつもすごかった。
原作ゲームをやってたときから、A3が舞台化されたら佐久間咲也役は横田くんがいいなって思ってたんです。横田くんは色んな媒体で自分と咲也との共通点は演技が未熟なところだと答えていて、そんな直球で言う?!って驚くんだけど(だいたい演技の上手い下手って歌やダンスと比べても評価のあやふやなものだし)、そういう部分が似ているって本人が思うなら演じることは苦しくもあったんじゃないかなと。東京楽の涙が印象的でした。エーステの稽古が始まってからずっと前向きな言葉ばかりを聞いていたから、ここで初めて聞いた「怖くて」という言葉に、なんかびっくりしたけど腑に落ちた。苦しいと感じながら、苦しい道を逃げずに進んでいくところが横田くんの靭さだと思ってる。
咲也の演じ方について稽古前に受けたインタビューでは、咲也と自分は似ているからこそ咲也としての全力をコントロールしたいというようなことを言っていたのですが、公演が始まったあとは「横田龍儀が全力でやれば咲也っぽくなる」というふうに変化していた。エーステはたぶん、キャラであり俳優でもあるような瞬間を意図的に作ってると思うんですけど、横田くんに関してはたぶんそのあたり無自覚でやってて、それが作品自体のみずみずしさになってると思う。(無自覚でというか、ガムシャラにやってたらおのずとそこに行き着いたというか……)本当にただのファン視点だけど、この咲也を見てると横田くんがみほとせ初演の東京楽のあとに上げたブログだったり、歩き旅で旅先で出会った人に俳優として有名になりますって誓ったことだったり、そういう横田くん本人の歩みを思い出して、ほんとこういう役に出会えたことがまず奇跡みたいだなって。
「頑張るって職業はねえ/ここはプロが客を楽しませる場だ」に対する「頑張るって職業はないけど、オレ、お客さんに楽しんでもらえるように頑張ります」とか、咲也の台詞だけど横田くんの決意に聞こえる。そしてこの世の多くの若手俳優の気持ちでもあってほしい。
はい。
原作スト読んでるときはあんなにいい子でかわいい咲也くんが親戚の家で上手くやれなかったことが不思議だったけど、舞台を見るとなんとなくそのへん腑に落ちた。いい子だからこそ、違う家族とうまくいかない感じがわかったというか。咲也くんはいい子すぎて暗さやずるさが全くないから逆にとっつきにくいし、元気そうだから放っといてもいいやって思われる部分はありそう。そしていい子だからこそ、自分が異邦人だと分かっている場所で無理に居場所を求めることはしなさそうだなとも。底抜けにいい子だからこその寄る辺なさがある。咲也くんの求心力って、泉みたいにこんこんと湧き出るパワーというよりも引力なんですよね。(なに言ってんのか自分でもよく分からない……)そしてそういう部分が腑に落ちたからこそ咲也にとってロミオ/春組という居場所は絶対に手放せないものだったんだと分かる。
(というか横田くん見てると実際苦しみや悲しみは見た目や人間性の美しさを選ばず降りかかってくるものなんだなって思う。人は顔が良ければけっこうなんでも許しちゃうけど神様はそうじゃないし、神様にしかどうにもできないことっていくらでもある)
あと三好登場のところで三好のシトロンへの主演?からやりあって?後ろで主演!オレです!ってアピールしてるけどスルーされてる咲也くんが、親戚の家でもこんな感じだったのかなあって思ってしまう、別にそういうシーンでもないですが。
茅ヶ崎さんを引き止めるエチュード。ここほんと全部好き。なんでこんなに目がまんまるで大きいんだろう。宝石みたいな御子だな本当。取り残された子どもの切実さが不思議ときらきらを放っていた。キャンプも天体観測も、咲也自身が生きていたころのお父さんとした約束だったのかも。ここのシーンはさんざん笑かしたあとすぐに真剣な空気に持っていけるのが本当にすごい。横田くん、瞳の引力で緊張感を作るのがめちゃくちゃ上手で……。
監督との面談。静かに過去のことを語っていたのに、子どものころに見た演劇の話になると夢中な口ぶりになるのがかわいくて、それから海賊役の台詞を言うところ、少し下を向いてすっとこちらを見た表情が凛々しくてかっこよくて……!!泣き笑いでの「居場所がほしかったんです」推しのこんなお芝居を見ることのできたおたくめちゃくちゃ幸せだ。
ロミオよかったね。綴くんの脚本てあらすじ自体はわりと定番だと思うけど実際舞台で観たときの幸せがすごい。花束奪って投げるとこの全力投球いつも好きだったな。ターンしたときに汗が照明に反射しながらぱっと散るのが本当に綺麗でした。「見つけた俺達の居場所」と歌いながら舞台上に倒れこんでいくのが好きすぎるんですよね。咲也の抱える孤独へのはっきりとした答えで、同時に最期まで舞台で生きていくという覚悟のようで。仮死薬を飲んで背中に倒れこんでくるジュリアスを見上げる表情が美しい。ここはもう本当に、説明できなくてただただ良い。それからお互い背中を預けあって幸せそうな表情をするのも。
あとはこまごました可愛かったところを書き連ねます。手と足同時に出てるぞ!のところでたまに普通に手と足逆に出そうになるがあって本物の不器用を感じてめちゃくちゃかわいかった。あと凱旋の2幕頭でペン回しをしようとしてボールペン落として客席がうふふ……という空気に包まれて始まった回があって好きすぎた。ペン回しができないのすごく横田くんっぽいし咲也すぎる。あとラストらへん「すっっっっっっっっっ……っごく」って溜めるところが凱旋から地味に遊んできてた。途中でちょっと寝ちゃって至さんに起こされるやつが可愛さも面白さもナンバーワンでした。
最後に薄めの文字で関係ない話をしますが、横田くん自身も高校生のときに故郷から離れる経験をしているんですよね。横田くんは福島の発電所の近くの村の出身で、高校生のときに東日本大震災に被災して避難しないといけなくて、友達に別れも言えずに知らない土地に転校したという。昔のブログとか歩き旅とかでもよくしてる話なんですが。いきなり知らない街に行くことになって毎日不安で生活も大変で。でも横田くんが俳優になるきっかけをくれたのは避難先で出会った、いま俳優をしている同級生だったんですよね。咲也くんも、もしもご両親が生きていたらこれほど演劇に惹かれることはなかったかもしれない。そういう巡りあわせに思いを馳せてしまいますね………。(締めが雑)

 

☀️大人組☀️

支配人/田口涼
彼はあざとくても駄目だし本当にいらいらさせちゃっても駄目っていう塩梅の難しい役だったと思うんですけど、そのあたり本当にドンピシャのラインでした。舞台だと監督の台詞を代わりに言うところも多くて、それをだらしないキャラの支配人が言うって本当に難しいと思うんですけど、それも違和感なくてすごかった。下手に熱くなりすぎると支配人っぽくなくなってしまうし、でも役者としてついつい欲しがっちゃう気持ちがでてもおかしくないはずなのに、彼は最初から最後までずっと最適解の支配人でした。支配人のダメダメなところが舞台だといい感じに笑いに変わってて良かった。
あと劇中劇でロザライン役として出てるところ、ずっと背中が曲がったおばあちゃんみたいな歩き方だったのが地味にめちゃくちゃ気になってたんですよ。でも千秋楽ではちゃんと背筋伸ばしたイイ女になってて、そういう演出だったのか~!って納得した。だってこれでリアルにアンケート書いた人がいたとしたら、劇中劇にアンケート反映されたごっこできたじゃん!書いとけばよかった~!エーステめちゃくちゃ楽しいな!天才!と思いました。

 

古市左京/藤田玲
藤田さん、なんかあのかっこよすぎて逆に見てるこっちが微妙にこっ恥ずかしいみたいな感じが異様に似合いますよね。春夏キャストのなかでいい意味で浮いてた。
客席をめちゃくちゃ見てる。監督に話しかけるところってだいたい真ん中あたりの列を見ている気がするのでそれより前列に座るとだいたいキャストの目線が頭上を通り過ぎる感じになるんですよね。でも藤田玲さんってたまに前列の客をめっちゃ舐め回すように見てる時間があるんですよ。ただ見つめ合うという謎の時間が生まれる。顔が、いいな……。香水のにおいがすごくて近くを通った日には品川くらいまで残り香に包まれる。
あとなんかSNSでのキャラなりきり的なものが過ぎてたまにリプライがやや事故ってるのがなんか、2.5の現象として面白く見てる。なんでこんなやたらサービス精神があるんだ。

 

迫田ケン/田内
出ている時間が短いわりにカロリー消費量ほかキャストとほぼ変わらないのでは?迷いなしの全力が気持ちよかった。本人の謙虚で素朴な感じがいい感じににじみ出てて愛されキャラになってたなと。
大人キャストのなかでしっかり可愛がられていて、よかったねえとなります。

 

鹿島雄三/滝口幸広さん
滝口さん、しゃべってるところはよく見ますがお芝居を見るのはテニミュぶりかもしれない……!大石くんのときとは声の響きから何もかもうまくなってて、元々下手だと思ったこともなかったのにそれでももう全然レベルが違ってた。そりゃあテニスに出てたのだって10年以上前だけど、10年以上俳優を続けてたらこんなに違うんだって。こういう駆け出しの頃の姿を客によく知られている人を雄三役にキャスティングすることにすごく意味があったと思う。
脚長くてスタイル良いのがいかにも舞台俳優って感じで良い。キャスト発表されたときは雄三にしては顔が綺麗すぎると思ったけど、これくらいかっこいい人のほうが元春組に説得力があっていいですね。夏組のみなさんといるときに夏組で一番背の高い天馬よりもさらに背が高いのが良い。身体の厚みがしっかりあるから、体格差で天馬含め夏組メンバーがちゃんと子どもに見える。
300回も席立とうと思うような芝居を止めずに最後まで観てちゃんとアドバイスしてくれるってほんと死ぬほどいい人ですよね。つまんない舞台観るのってまじできついもんね。

 

ということでエーステ春夏公演、褒めるとこしかなかった!これから続いていくであろうハイクオリティの舞台シリーズの一作目をきちんと目撃できたこと、そしてそのセンターに大好きな俳優が立っていて、一体となって生きていること。おたくとして贅沢すぎました。出会えてよかったし出会えてくれてよかった!!!です!!!!読んでくれた方ありがとうございました。