終わらない夢の幕を(2019年現場振り返り②)

MANKAI STAGE A3!~SPRING2019~

脚本:亀田真二郎 演出:松崎史也 制作:ネルケプランニング
出演:横田龍儀 牧島輝 前川優希 立石俊樹 古谷大和 ほか

2019年の春、本当に贅沢で幸せな季節でした。また暖かくなったらこの作品のことを思い出すんだと思う。弱おたくなりに頑張った結果凱旋の後半動悸が止まらんかったけど、それでも毎公演絶対楽しくて毎公演感動が色あせなかった。物語も演者もぜんぶ良かったし、そのセンターに一番好きな俳優がいることがなにより嬉しかった。面白いとか面白くないとかって尺度じゃなくて特別な作品。
おたくのbioを席巻した「新しい季節にいま名前をつけるなら君がいい」「春夏秋冬と君」の大快挙のトキメキ歌詞を最初に春組が歌って観客として最初に聞くことができてなんかもう推しが春組でよかったと心から思った。「蕾に花が咲くように新しい春がきたよ」「色づいた世界の主人公は君だよ」「終わらない夢の幕を一緒に開こう」ほんと歌詞ぜんぶすごい。正統派なのに一発で覚えられる。
春夏の千秋楽カテコでぼろっぼろに泣きながら「僕のことはいいからみんなのことを愛してあげてください」と言っている姿を見て情緒ぐっちゃぐちゃになった。だからBlooming smileの「自分を好きになろう」「ひとりじゃないから、ここにくればいい」あたり、なんかまさに横田くんの口から聞きたかった言葉が出てきた感じだった。横田くんってはたから見てても誰と本当に仲がいいのかよくわからないけど、春組のみんなといるときは本当に幸せそうだなとおたくながら勝手に思います。カーテンコールで笑いのツボにはまっちゃって締められなくなったり、漫才中にマイクオフなのに笑い声が三階席まで聞こえてきたり、そういうのを見てるのがおたくとしても本当に幸せでした。
春組みんな好きで、特に古谷大和さんはすごかった。基本的に舞台上に推しがいるときは常に推し定点してるおたくですが、2幕劇中劇の大和さんにはさすがに目を奪われました。エスの表情(どこで笑っているか・どこで無表情になるか)をきちんと追うことでさらに見えてくる世界があった。
あとはせくしーにゃんにゃんことチェシャ猫さまに心を乱されまくりました。なにあれすごい…………かわいい…………何回観てもキャパオーバーのかわいさだった。体感3秒。いまだにあのかわいさを言語化できない。すごい。かわいい。かわいい。いやあ幸せだったな……。

ミュージカル「憂国のモリアーティ」

原作:三好輝 脚本・演出:西森英行 制作:マーベラス
出演:鈴木勝吾 久保田秀敏 山本一慶 平野良 ほか

マーベラスやるときはやるじゃ~ん!と謎に上から目線で感心してしまった。脚本演出キャストのビジュアル実力と舞台上のどこを取ってもめちゃくちゃ質のいいミュージカルでした。
久保田さんのお歌がめちゃくちゃうまくなってて驚きました。いや私すごい勝手にこの人はテニス卒業したらもう歌う仕事はしないんだろうななんて思っていたので(クロソマレは置いといて)、それがこんな歌えるようになってて本当にすごい。ちょっと見ないうちに美しくて歌えて演技うまい最強お兄さんになってた。ちゃんと練習したら誰でも歌えるようになるんだよな。鈴木勝吾さんはもう納得の主演。うまい。私基本的に曲を覚えることが壊滅的に苦手なおたくなんですが、彼の「あなたに裁きを」はあの声の圧もあり頭から離れなかった。声域どうなってんだこの人。山本一慶さん、ビジュアルよすぎてそこにいるだけで100点満点の美しさなのに最初の台詞の声が更にはっとするほどの美しさを叩き出してきてすごい。金髪眼鏡で貴族の山本一慶さんが歌うなら観たいな~ぐらいのモチベで来ましたが期待以上でした。ロイヤル・ロイヤル・ロイヤル。
ホームズワトソンコンビ、これ下手な人がやったら地獄みたいになってしまうと思うんですがそこはさすがの平野さん鎌苅さんでした。うまい。なんかもう普通にとんでもなくうまいから逆になんて言えばいいかわからん。脚長すぎて股裂けてないか心配になる井澤さんは相変わらずかっこよかったです。アクションありで井澤さんの得意分野を詰め込んだような役でした。赤澤くんのこういう寡黙な役は初めてみましたがめちゃめちゃいいですね。歌こんなうまいの知らなかった。
あと小南くんの役がたいへん私の性癖に刺さりました。(身内「だと思った」)ディキータマリモットの映画でも思ったんですけど小南くんの冷めきった瞳がとても好き。オタクが推しにやってほしいナンバーワンのサイコパス役だけどガタイがいいからちゃんと怖くていい。なんでも持っているけど精神の栓が抜けた美しい男というジャンルがすごく好きなんですが、そんな彼が周到に嵌められていくさまをこれでもかと丁寧に見せられてなんかもうありがたかった……。追い詰められていっさい反省せず死ぬところがプライドエベレストで最高でした。ありがとうございました。
あと奏音ちゃん!カテコがだいたいゼロズレだったのでかわい~って眺めてたらばちばち目が合ってしまい、めっちゃにこって見つめられて爆沸いて個ブロ買う~!って騒いだ。なかった。なんでだよ。(RUN FOR YOUR WIFEへの伏線です)

映画ディキータマリモット~いつまでも忘れないよ~

監督:堀内博志 制作:slf
舞台挨拶の回でしたが登壇キャストが捌けたとたん十数人の客が本編を見ずに帰るというヤバ映画でした。正直予告の時点で不愉快な気持ちになる映画なんだろうなという覚悟はしてた。実際そこまで無理すぎることもなかったけど普通によくわからなかった。なんか登場人物やたらとナレ死するし。最終的に「出番が一瞬でもお前ら輝いてるから頑張れよ」みたいなしらけた終わり方をした映画でした。それをTDCホールでメイン張ってる俳優たちに言われても……。
笑いを狙ってるっぽいところでほぼ全く笑い声聞こえなくてすごかった。財木くんが脅しでスタンガンを振り回したら自分の脚に当たって気絶するシーン以外は観客寝ちゃってたのかもしれない。「私もうおばさんよ」って言うおばさんに対して「あなたは出会ったときからおばさんでしたよ」って返す崎山さんとかわりと面白かったと思うんですが……。
ザコンの横田くんは好きでした。なんかウブで可愛かったし顔が美しかった。橋本祥平さんと大原海輝くんはエピソードもわりと良かったし顔も好きだったけど出番一瞬でした。荒んだ顔つきの小南くん、私は好きでしたが、上裸でモブ顔のモブ女数人と無駄にキスさせられててなんかかわいそうでした。帰りに「うちらの推しは被害少なくてよかったね」って言いあってる方がいて小南くんのファンではないことだけはわかった。いや古風なオタ芸とか地雷女に首ったけとかおばさんにそのへんのピアノクロスをドレスにして着せてダンスとかも被害っちゃ被害なのか。
舞台挨拶、小南くんと横田くんのふたりでしたが普通に特に仲良くはないのを隠さない感じが面白かったです。いやこれはこれで別にいいんだけど(というかこれまでのディキータのイベントがひどすぎたので平和で良かった)なんか若手俳優メインのオリジナル映画なんてもはやこっちも内容は期待してないし、イベント巡業で稼ぐならせめて最初からトークしやすい仲良し俳優をキャスティングしたらいいのにとは思う。

舞台「刀剣乱舞」慈伝 日日の葉よ散るらむ

脚本演出:末満健一 制作:マーベラス
ごめん全然面白くなかった……。
刀ステシリーズはこれが初めてでした。なんか前評判としてシリアス深読みのステ・キャッチーハッピーのミュみたいな風潮があったと思うんですけどいざ観てみたら物語も登場人物も単純というか知能が低くてびっくりした。開演して登場人物たくさん出てくるのにいつまでも物語が始まらない感じ。シリーズのほかの作品を見ていないなりに、たぶんシリーズで一番出来が悪いやつだなとは察したけど、それにしても登場人物の知能がこの程度で面白いお話になりうる?。
たくさんキャラクターが出てくるけど、物語の上でこの役割はこのキャラクターでなければいけないってキャラはほとんどいなかった。それでなんかこう、ひとりのキャラクターが何回出てきてもずっと同じようなことを言って同じようなことをしてる。そんなんだから磯野大さんがはぴどりから逃れられないんだよ!!!俳優のキャリアがばらばらなのもよくない方向に作用してた気がする。一言しゃべっただけで貫禄がすごいキャラとふわふわした印象のキャラがいて、そういう差がキャラの個性と合ってるわけでもない。
話のメインだった偽物がどうこうって部分が全然ぴんとこなかった。どこかの刀が偽物かどうかって私にかかわりある問題じゃない(というか普遍的なテーマではない?)から没入しようがないというか。これは原作ファンにとってはそうじゃないのかなとも思いますが。
色々言ったけど俳優さんそれぞれはきちんとキャラの立ち振る舞いを研究してたとは思います。あとは谷水くんの顔がとにかく好きでした。あとカテコが太郎太刀さんゼロズレで目があった?!と思ったけどこばりょ~さんと目が合うはずは、ない。(乱視の2.5俳優に乱視用カラコンは支給されるのか問題)
原作ファンか舞台シリーズのファンだったら楽しめたんだろうなというのは分かる。推しに出てほしくはないけどまあ出るはずはないし、何だかんだ行きたい人は行きたい回数入れてた印象だし、サンは森で私はタタラ場で暮らそう。