如月ルヰくんに恋した(ブタキン感想)

ブタキンことブタバラこと舞台KING OF PRISM ーShiny Rose Starsー観てきました。楽しみにしていて本当によかった。正直脚本や演出などの舞台そのものがよかったのかどうかはよく分からないけど、ただただルヰくんが最高すぎた。ルヰくんが本当に毎秒とにかく良くて、美少年役の美少年でしぐさがいちいちはまっててときめき振りまいてて、いままで観たいと思ってたけど観る機会のなかった横田くんをたくさん見ることができて、本当に幸せだった。ルヰくんが描く絵のひとつひとつに終始琴線をかき鳴らされてた。とにかくルヰくんが良かった。

※ルヰくん役よこたくんのおたくが今作のルヰくんを褒めてるだけの記事です。原作は情報解禁されてから映画2作とアニメをさらっと見ただけなので覚えてたり覚えてなかったり。
公演中に書き始めて千秋楽後に書き終えたのでたまに時空が不思議。ネタバレあり。
※この記事では触れてないけどほかのキャストさんもたいへん天才でいらっしゃいました。そのうち書きます。

・シンくんとルヰくん

パンフで横田くんが話していた「シンに対する愛」「好きな人に対する視線やしぐさ」、めちゃめちゃ期待してたんですがこれが本当に美しいかたちをしていた。観ててなぜか「宇田川町~」を思い出してたんですけど、まあ言われてみれば横田くん、誰かに恋する役ってたぶん宇田川以来とかですよね。宇田川のラストシーン、オーディオコメンタリーで相手役のまりおさんに「幸せそうな顔してるね」ってしみじみ言われてるやつが本当に好きなんですよ。ルヰくんも内から溢れて止まらないような幸せで感極まったような顔をするのがいい。シンくんが違うところを見ているときにその幸せそうな顔でシンくんをじっと見ているのが夢中そのものの表情で。シンくんだってさ、ぱっと振り向いて見たときにあんなしあわせそうな笑顔で見つめられてたらそれはもう……好きになっちゃったな!!
原作のルヰくんも横田くんも、お顔立ち自体は完成されていて大人っぽいほうだと思うんですが、その美しい顔に無邪気な表情を浮かべるのが本当にずるい。この笑顔で思わせぶりなことを言ってみせるの、恋一択で……。あざといともまた違う、ぜんぶ素でやってるようにも見える小悪魔感。デートのラスト、「こんな風に?」とシンの頬に手を添えた瞬間すうっと大人っぽい表情になるのがたまらなくいい。
総帥にデュオ出るお許しをもらったときのルヰくんのはにかみ方が子どもみたいでかわいかった。嬉しいのを抑えようとしてるけどあんま抑えれらてなくてかわいい。愛しい。うっかりあの笑顔を見てしまって「!?」になるシュワロモブ生徒やりたい。
例のトンチキデート衣装、いくら可愛い可愛い横田くんとはいえさすがに原作のあれ着て出てこられたらおもろいかもとか思ってたんですが(ごめんなさい)、舞台だと普通に可愛い感じの服になってて安心しました。この衣装で出てきた瞬間客席から「かわいい……!」って聞こえてくるの分かる、分かる、分かる。ベレー帽かわいい、小さい頭になんか乗ってんのかわいい。女性ものの服を着てもあまり違和感なくかわいいんだけど、ポシェットをさげた胸が平らでまぎれもなく少年で、なんかそのへん誤魔化してない感じが好きだった。
デュオ曲、かわいくてきれい。最初のシンくんのパート中にシンくんの手のひらを両手で包むみたいな振りがあって、その触れ方があまりにも繊細で息が止まる。曲中以外もふたりが手をつなぐところは何度もあるけど、指先と指先でそっと触れるような触り方で、フィジックな要素がないっていうのはこういうことを言うんでしょうか。手の造形が花車なのも相まって、男と男という感じがあまりないんですよね。シンくんのほうもめちゃくちゃウブだしね。かわいいね。ふたりのプリズムジャンプ、両手をつないで見つめあって「禁断の愛、ストロベリームーンナイトアバンチュール」だったかな(うろ覚え)触れている手と手、熱く交わす視線も完全にふたりの世界で、でもそのふたりの世界が素敵なプリズムショーで観客に幸せを届けるもので、すごい理想の愛のかたちを見せられてしまった。ルヰくんはこの恋心がどう結ばれることを望んでるんだろう、みたいな下世話なことを考えてしまうんですが、シンを守りたい・幸せにしたいという気持ちがただただルヰくん生きるパワーになってるのかと思う。「私がシンを永遠に守る」が凛として美しくていちばん好きだった。このふたりは周りも幸せにするような靭い愛を持っていてほしい。

・シャインとルヰ(りんね

シャインに相対するときの怯えと殺しきれない情が綯い交ぜの表情がとにかく良かった。あとはシャインを傷つけていることに対する罪悪感もあったりする?原作だとりんねの姿のりんねとシャインの姿のシャインでしていたやりとりを、舞台だとぜんぶルヰとシンの姿のままでやってたのが逆にわかりやすかった気がする……。いやこのへんアニメ見てもよく分かんなかったんですが、①ルヰの体にりんねの精神を入れたものが生み出される→②ルヰの中のりんねの精神がシンのなかのシャインに惹かれる→③次第にルヰとしての人格が芽生えてシンそのものに惹かれるようになる。で、劇中シャインは②と会話してるつもりだけど、実際のルヰはもう③の状態、みたいなことだよね……?
見た目完璧な美少年のルヰくんが「これだからF型は~」って言われてそれに言い返せないのすごく好きだったな。シャインの前のルヰくんはぜんぜんお人形じゃないのがいい。
なにがなんでも復活したいシャインに対して、力が落ちている上にシャインを殺しきれないルヰのほうが弱くて、でもルヰはシャインのことをもう好きじゃないっていうある意味最強の武器があるんですよね。それがなんか余計な瑕を生んでるというか。シンとルヰについてフィジックな要素がないって話をしたけど、シャインはそのへんめちゃめちゃ物理的というか男性的というか、触れ方ひとつも自分の所有物かのように扱う。最初にシャインが出てきたときのルヰくんを座らせる力の強さとか二の腕を触る遠慮のなさとかもそうだし(デュオ曲の衣装はシンと踊るための衣装なのに、それを無遠慮に触る感じすごい酷くていい)、いきなりキスするし殺そうとするしこれだからM型は。シンくんとルヰのデートでのキスシーンは口元を手で隠して見えないようにしてたのに、シャインは隠しもせずマウストゥマウスで思いっきりいってるのが対照的。
ルヰくんがシンを守るために戦っていることはシャイン以外誰も知らないんですよね。誰にも知られずにシンを永遠に守ると誓うのがけなげで美しくて。ルヰくんの魅力って両性的な美しさとか浮世離れした立ち振る舞いとかいろいろあるけど、いちばんはきっとたったひとりで愛する世界を守ろうとする靭さなんだと思う。

・法月仁とルヰ

耽美がすぎる。いちいち絵になる。権力者と美少年が並んでる絵が好きなのでこの二人も完全に好きでした。ルヰくんの口元を撫でる手つき、10代の少年にしていいものじゃない……でもルヰくん実は1000年生きてるから受け入れちゃうんだな……。
プリズムショーに出られないくだり、「ごめんなさい」のあと思わず手をあげる仁をじっと見つめる表情がすごいんですよね……――は首を起し、潤んだような大きな目で僕の顔を見た。この訴えるような、侘びしげな眼、それは相手の同情と保護とを待ち受けているようだ。しかし何の表情もない…… (関係ないとこから引用すな)*1 その顔ひとつで激昂を静める美少年……。ルヰくんがいちいち話すこと耳打ちするの、ただならぬ関係っぽくてよかったな。そりゃあジョージもナニ?!ってなっちゃうよ。
ショーの途中で気を失うルヰくんを総帥ダッシュで抱き留めるところ、シャインがひとりで大きな音を立てて倒れるのとは対照的ですよね。しれっとルヰくんをお姫様だっこするのさすがでした。抱き上げられて脱力して頭が後ろにかくっと落ちる感じが本当にスイッチ切れたみたいで怖かった。あと顎のラインめちゃくちゃきれいね。仁はルヰに何が起きているのか理解できなくて、理解できないのに必死に名前を呼び続ける姿がいたましかった。ルヰくんの手を握ってルヰくんの胸元に当てるのを毎公演やってて好きだったな。
総帥の腕の中で眠るルヰくん、口元の造形が神がかっていて、気を失っていても口角が少し上がってるのがあまりにもお人形さんだった。薄く開いた口元から見える白い小さい歯まで完璧。横田くんって歯並びが可愛い。こんなに美しい人が急に倒れて目を覚まさなくなるのそりゃ怖いよね。分かる。その目を閉じた顔が本当に作り物のように見えることと、この美しい子を失うかもしれないことの恐怖。だからこそルヰくんが目を覚まして嬉しそうにほおずりするところ普通によかったねってなる。
客降りで総帥がルヰくんに跪いて手を取ってたのがなんかもうすごかった。あと千秋楽、SHB終わって捌けていくルヰくんを総帥ダッシュで追いかけてばって前に立ってエスコートしてたのもよかった。(幻覚じゃないはず。)このふたりの力関係が絶妙なんですよね。仁はルヰを支配下に置いている立場だしそういう振る舞いをするけど、同時に「最も多く愛するものは敗者*2」的なところが大きいなとも思う。
原作さらっと見た感じだと仁がルヰくんに向けているのは歪んだ自己愛なんだと思うんですが、舞台見てるとそれと本当の慈しみは切り分けられないものなのかもと思った。

・声とかパフォーマンスとか

幕が上がってすぐの第一声からひとことひとこと丁寧に話していたのが印象的でした。横田くんこんな声出るんだ?!ってびっくりするところがたくさんあった。プリズムの煌きを取り戻したあとのシンの名前を叫ぶとこ、ほんとあの声を毎公演安定して出せてて成長感じて泣いちゃう。
情報解禁されてから初日を迎えるまでに、横田くんがルヰという役を受けていいのかたくさん悩んだ話は色んなところで聞きました。「蒼井翔太さんの声がすごく高くてキレイで『僕とは真逆だ』と……。若手ですから本来はいただいた仕事を断るような立場ではないのですが、ファンの方の気持ちを考えたら、自分が演じるべきではないんじゃないかなとも思いました*3」「悩んで悩んでこのまま逃げるよりも挑戦したほうがいいんじゃないかとも思って。たとえ非難の声を浴びることになっても、ここで逃げたらずっとこういう役は演じられないままだから……。成長する機会をもらったと思って、挑戦することにしました*4」本当にこういうとこ好き(はい)。その言葉通り成長した姿を見せてくれた。役と声のギャップにどう向き合うかという話は刀ミュでもエーステでもしていて、声質を寄せることよりも役として嘘のない芝居をする、という方向で今まではやってきてた。おたくとしても舞台上の横田くん(物吉くんまたは咲也くん)が持つ情動が役そのものだと感じたから声質が気になったことってあんまりなかった。でも今回のパンフで初めて「声を考えつつ中身に魂をこめる」ということを言っていました。本当にそれができてたと思う。もちろん原作と同じ声は出ないんだけど、話し方の印象をかなり近づけててびっくりだった。「ジョークだよっ♪」とかすごいかわいかったね。私はもともと横田くんの情動直送の演技がすごく好きなんですけど、ルヰくんでずっと声を意識しながらの演技でもそこが失われてなかったのがすごく嬉しかった。俳優さんたちから役のことを大切にしている、みたいな褒め方をされていて、本当にそうなんだなって嬉しくなりました。お芝居の方向とか、新しい姿をたくさん見せてもらえた。
I know Shangri-La、予習でiPhoneに入れて聞いてたんですが、恋のキラキラがたくさん詰まってて好きな曲です。そんで踊りながら歌うの難しすぎる曲でもあると思う。歌いながらスキップするのむずすぎんか。でもなんか横田くんの歌い方は恋心が大きく膨らみすぎて手懐けきれてないほどという感じでまた良かった。振りや仕草の小悪魔感とは裏腹に歌に余裕がない感じが、どちらもルヰくんの恋の姿だと思った。
あとやっぱよこたくんはダンスの表現がすごく良い。この曲は両手でハート・両手首をとんとん合わせる(これめっちゃジッパー)・両指で口元を指す、みたいなアイコニックな振り付けが多くて、それに完璧に可愛い表情を嵌めてて可愛いがキマりすぎてる。目をぱちっと開いた表情からにこっと笑顔を見せるそのどっちもそんなにかわいいことある?!「♪花火みたいにはじけて苦しいの」この困り眉の甘えたような表情と身体を揺らす振りがあまりにも良くて可愛くて良くて。何回見ても初めて見たぐらい新鮮に可愛かった。この可愛さに対して公演数が足りなさすぎませんか?十分見たって思える日来るか?来なかった。
あとデュオ曲のソロパートは普通にめちゃめちゃ綺麗に出てる。泣いちゃった。歌うの楽しくなってくれるといいな。ルヰくんの曲はもっと聞きたい。デュオもプリズム1もどちらも途中でシャインとの会話になっちゃうから、シャインとのやりとりも好きすぎるけどちゃんと最後まで聞かせてほしいんですよね。

・美

美少年が美少年役してくれるのめちゃめちゃ嬉しい。横田くんが美しく生まれたことに意味のある役。ビジュアル発表される前からビジュアル最高なの分かってたもんね。
横田くんの色素が薄ければ薄いほど嬉しくなるおたくなので、本番でカラコン薄い色になってて大歓喜でした。きれいな色だよね~きれいなかたちの瞳に嵌まったカラコンは何色でもきれいなんですが。うるうるぴかぴかっていうよりは薄く透けるガラスみたいで神秘的。下から見上げる席位置で見ると扇状に伸びる上まつげがよく見えて好きでした。まばたきするたびにまつげがちょうちょの羽みたいだった。あと2.5メイクにしてはアイライン細いのか二重のラインが見えていいですね。前髪の隙間から見える下がり眉がめちゃめちゃ可憐。横田くん、目元や口元のパーツは甘い感じだけど、それを載せてる骨格がわりと直線的でくっきりしてて最強なんですよ。ゆるぎない靭い美。
二幕からの黒衣装、サイズダッバダバなのなんで?!採寸してないんか?!となってしまうんだけど、白肌に露出なしの黒い衣装が最高の話は龍よでも夏単でもした。周りが景気良く脱いでるなかきっちり肌守られてるのいいですよね。(ちなみに舞台のルヰくんのお風呂シーンなくて残念だなあと思った原作ファンのみなさんはぜひ横田くんの写真集を買ってください。シャワーシーンが美しすぎて神聖と生々しさの狭間でしぬので。)
今回に関しては横田くんのルヰくんは最高だという気持ちがあまりに強固なので積極的にパブサをしていたんですが、あまりお気に召さなかった旨の呟きでもだいたい「ビジュアルはいいけど〜」と前置きされていてさすがだなって。ビジュアルは誰が見てもいいからね、そこに立ってるだけで誰が見ても正解だからね。分かる。

26日の公演で急に千秋楽を迎えることになりました。聞いた瞬間に心がからっぽになった。悲しいみたいな感情もついてこなかった。なんでそんなことするの?って感じ。でもやっぱり始まったら舞台は楽しくて、みんな最後に力のすべて出してるのが伝わってきて、いつの間にか涙が出てたのはこれで最後だからじゃなくてみんなの芝居がよかったから。いつもあんまり声出さないで見てるけど、最後ばかりは自然とみんなの名前を呼んでた。停電のところ、いつもは倒れ込むルヰくんを定点してるから歌も参加できなかったけど、いつの間にか歌詞覚えてて最後はちゃんと歌えた。I know Shangri-la、いつも通り歌えていたのにシンくんがでてきて手を取ったときに感極まった表情をして見えたのがすごくらしいなって思った。いい千秋楽でした。
でも劇場を出た瞬間に辛くなった。終わり。6月には映像も出るし、きちんと出番をいただいているから見たいルヰくんはきっとちゃんと抜いてもらってると思う。でも本番を満足いくまで見れなかったって思いは一生消えないんだろうな。脚本演出を冷静な目で見てすべてを褒められるわけじゃないけど、それでも何度見ても疲れてても眠くても開演したらそれを忘れるくらい楽しくて、大好きな舞台だった。ルヰくんがいる必要のある物語で、制作がルヰくんのことを大切にしてくれていて、俳優さんもキンプリという作品を大切にしていて、俳優さんがおたくに見えるところで横田くんのこと気にかけてくれたり褒めてくれたりして、横田くんを初めて見る原作ファンの方にもたくさん見てもらえて、俳優さんみんな天才でルヰくんが毎公演最高に良くて……本当に嬉しかった。いちおたくが言うようなことじゃないけど、もっとたくさんの人に見てもらいたかった。なんでよりによってこの作品が最後まで走れないんだろう。この悲しみを癒せるのは再演または続編の発表だけだから本当にエイベックス様よろしくお願いします。「♪またきっとここで逢える、約束するよ待っててね」とか歌っておいて2年も待たせてたのどうかと思うよ?!ほんとに!!

*1:福永武彦「草の花」新潮文庫 62頁

*2:トーマス・マン「トニオ・クレーゲル」新潮文庫 11頁

*3:「ステージグランプリ 2020 winter」主婦の友インフォス(78頁の横田くんの写真が最高に良いです)

*4:「オトメディアステミュvol.8」学研