目に焼き付けた夕映えの芽を(2021年現場振り返り①)

 

ミュージカル刀剣乱舞 壽 乱舞音曲祭

構成・演出:茅野イサム 脚本:伊藤栄之進 振付・ステージング:本山新之介

有明ガーデンシアター
去年歌合にあんなに文句言っておいて……?って感じですが見てきました。歌合は事故か悪夢だったんだなあと分かってよかったです。この手のコンサートは推しがいないほうが気楽に楽しめるという部分も大いにあったとは思いますが、コンサートとして無駄な時間が少なく、きちんとトライアルからの軌跡をさらう構成が良かった。あと去年出番の偏りがありすぎてキャストの一部は見飽きてしまったみたいなことを書いたような気がするんですが、そういう意味で私は麻璃央さんのことを見飽きるということはないんだろうなと思った。麻璃央さんがいなければそもそも刀ミュを見に行ってなかったと思うので……。ただの懐古厨だけど、なんか2015年くらいの麻璃央さんってご本人の性格がまっすぐで計算がなくて当時の語彙でいうと尊くて、そういう部分が国宝として大切にされている三日月宗近という役に合ってて好きだったんだよなあって懐かしく思い出しました。なんか本当に、すごい俳優になったなあ。
戦うモノの鎮魂歌とかなんかずいぶん久しぶりに聞いた気がする。歌詞好きだったなあ。というかこうして並べて聞くと初期の出陣曲は切ない感じの歌詞が多いですよね。歌詞の雰囲気の変遷も面白かった。いやなんか今回歌ってなかったけど漢道とかさ、なんか初期のまだ刀ミュ自体がそこまで認められてなかった頃の歌詞だなっていま見ると思う。「醜い嫉妬を切り裂いて♪」とかさ。
キャラ格差はゆうても相変わらずでしたが、全員この子はこの曲を歌ったよね、この曲で目立ってたよねというのがあったので大きな進歩だと思います。祭に初参加だった子たちもきちんと好印象でした。桑名の大地に聞くくだりとかいまのところ新鮮で面白いです。なんかかわいいよね。
以下世間と1年遅れくらいの気づき。
日向くんがめちゃめちゃ美少年。本当に顔が美しい。
無表情になったときの印象の冷たさがすごく好き。もしもひとり不機嫌そうな顔をしていたとしたら周りのほうが慌てる感じ、美少年とはそういうものだと感じさせる。石橋くん自身はわりと三白眼っぽい感じというか目が大きすぎて黒目のサイズが追い付いてない感じだけど、そこに大きい水色のカラコンを入れることですごいお人形ぽさがすごくて。笑っていないときのお顔立ちの人形のような美しさとはうらはらに笑ったときの口角の上がり方がすごくすごくすごくかわいい。歯を見せて笑うと口がハート形っぽくなるの造形がかわいすぎてぶったおれるかと思った。人中短くて口角しっかり上がっててお顔も小さいからこうなるんだ……ってなんかもうすごい。もともとのお顔立ちもパーツくっきりしてて華やかなのにメイク映えが完璧なんですよね。地味な顔の人間にとりあえずメイク映えする顔だよね!って言うのはもうやめます。これが本物のメイク映えなので。(わたしは派手なお顔立ちが大好きです。)
案外身長はあるほうだけどとにかく肩幅腰幅の華奢さが少年すぎた。誰がなんと言おうと華奢な骨格は宝。首が細くてうしろ頭がまあるくて小さくて、手足がすらっとながくて、なんかもう本当に気持ち悪いことを言うけど成長期の少年みたいな骨格してて。そういう成人男性が、身体の成長しない短刀を演じているのすごく合っていると思う。プロフィールの身長だけを見てキャスティングしてないの、良い。
ダンスもばちばちで目を惹く良さ。振りがしっかり大きくて、手足長い感じが印象的。よくぴょんぴょんしてるし表情もくるくる変わるし見ていて楽しい。まほろばみたいなゆっくりめの振り付けでもふらついたりしなくてさすがでした。CYGWも獣も物吉定点しかしたことなかったから、踊る人が違うと表現もこんなに違うんだなあって新鮮でした。「掻き乱して」のあとの手を払うような振り、なんか高貴の極みでよかったな……。
美しい悲劇、日向くんお当番回を現地で見ることができて、しかも相手役は麻璃央さんで、本当に見たかったし嬉しいはずなのにまっさきにうらやましさでしにそうだった。本当にさあ美少年という生き物との親和性が高すぎる楽曲。力なく膝をつく振りがその造形も相俟って最高に良かった。
笑顔や口元の造形がかわいくてまつげの生え方がきれいで表情をなくしたときの視線に冷たさがあって、それに骨格の華奢さとか手足の長さとか、ご本人のバブさ(認識が違ってたらごめん)とか、そういう色んな要素が集約されてこの美少年のかたちになっているのが本当になんかすごくて。石橋くん、こんな役を見たいなっていうのがいくらでも思いつく。この作品を舞台化してほしいけどこの役をできる俳優だけが思い浮かばない!ってところの役にことごとくしっくりくる。美少年ってインスピレーションだなあ。なんのはなし?
去年はなんかもう刀ミュに何かを期待するのはやめます!!って感じになっていたけどいまはとにかく日向物吉で嘆きのフィギュアを歌ってほしい。無理ならプロローグがいい。兄弟とかシンメとかいるキャラはちゃんとそれつながりで曲もらえるのずるいからそういうのないふたりで美少年㌠やろ。いやあのソハヤ役に決まった中尾・エフェボス・暢樹さんもそうとうお顔が好きなのでまじ物吉くんと絡んでほしいけど三池㌠にたぶん勝てないので。
どうでもいい話なんだけど今回刀ミュ行こうよ~って誘ってくれたのが佐藤流司さんのことわりとすきなジャニオタだったんですが、のちに笑ステ連番してくれたうえに彼女の申し込んだチケットがわりととんでもない当たり方してまじ持つべきものは佐藤流司さんのことわりとすきなおたくだなになった。お世話になりました(?)

 

モンスターライブ3

@目黒区中小企業センターホール
普通に見に行かなければよかったなって感じでした。ここの段取りキャストは把握してないの?ってところがありすぎた。バラエティ企画もいちいち品がない。この番組もしばらく続いてるけど、若手俳優にコントをやらせる意味も面白さもよくわからないし、キャストが仲良しでかわいいねみたいなことも特にないし、色々と事務所の力を感じるし、ほんとなんなんだろうな。それでもコロナ禍の応援してる人の仕事だしって思って見に行ったけど、別に見に行ったからって感謝されるわけじゃないんだよね。当たり前だけど。公演当日急にキャストが降板になったのに払い戻しがないのはやばいと思います。
高本くんは相変わらずやばくて面白かったです。なんかちゃんと客席見ててえらかった。

 

ミュージカル「新・テニスの王子様」The First Stage

脚本・演出:上島雪夫 原作:許斐剛
日本青年館
岡本さんがテニスに出るなら見たくて見に行きました。VIOLETで知った方なんですが好感度しかなかったので。役への向き合い方も共演者との付き合い方も100%信頼できるなって思っていた方。そんな岡本さんをはじめミュージカル界でベテランの俳優さんがたくさん出演することで話題になっていたけど、単にベテランを引っ張ってきただけじゃない、ミュージカルは初挑戦という人も多かった中学生キャストもきちんと原石を見つけてきててさすがでした。2.5のエポックはテニスなんだっていう制作の気概を感じました。
たぶんみんな言ってると思うんですが、跡部役の子まじでどこから見つけてきたんですか?歌がもううまいってレベルじゃない、きちんと表現としてモノにしてる、圧倒的表現力。跡部王国が本当に聞いていて耳が愉しくて曲が終わってしまうのが惜しいくらいで、でもさらに次の曲ではもっと違う声、違う歌い方で……気迫やギリギリの気持ちが余すことなく歌声に乗ってる。すごかった……。
リョーマ金ちゃんのルーキーズのマブさもすごかった。らいまくんは実物を見ると写真の10倍はかわいいので、カメラにとらえきれない類のきらきらがすごいんだなと思う。金ちゃん役の子って歴代で見ても優等生タイプというか、未成年なのに年齢以上にしっかりしすぎててなんとなく心配になるような子が多いんですが、今回は年の近いリョーマ役の子と一緒のシーンが多くて癒されました。東西ルーキーズのコンビはいつの代も基本好きでもっと絡みを見たいって思ってたから満足。
今牧くんはリョーマとして舞台に立つと雰囲気が変わりますよね。素顔は幼くてびっくりする……。歌声がすごい「テニミュリョーマ」って感じでなんかうれしかった。
桃城役の子は歴代でも演技が好きな子が多いんですが、寶珠山くんも例によって好きでした。さわやかさもそうだし、何より顔がかっこいいな……。笑ったときの口のかたちがめちゃめちゃきれい。中学一年生の女の子の初恋って感じの笑顔をしている。
相葉さん、なんか私が子供のころにDVDで見てたお姿とあまり見た目が変わってないので、もし不二先輩の亡霊の方がいたら違う役をやってるの見るのつらいんじゃないか?などと勝手に心配してしまったんだけど、入江先輩あまりにも楽しそうにやってたからまあ成仏したんだろうなと思いました。相葉さんを見たのは実は2014年?とかの春のめざめぶりでしたが、ずっと清廉さを失わないのですごいと思う。
相変わらずの楽しさにベテラン勢の歌声の贅沢さも加わってやっぱりテニミュだな~となりました。ベテラン勢と中学生キャストの関係性というか向き合い方もすごく良かった。

 

ミュージカル「黒執事」~寄宿学校の秘密~

脚本:Two hats Lyd. 演出:松崎史也 制作:ネルケプランニング
@銀河劇場
過去の生執事はWOWOWで見たことあるくらい、原作は豪華客船編くらいまでは読んだ記憶があります。突然現場が消えたお友だちとノリで連番しました。これくらいのテンションで行くのにすごくちょうどよかった。いい日曜日を過ごせました。2.5おたくがだいすきなトンチキ歌詞とトンチキクリケット大会にラップバトル、耽美もあってキャストがいっぱいいて衣装もたくさんお着替えしてくれてアンサンブルも有能でセットも転換も手が込んでてそもそも原作が黒執事で、これで11,000円はめちゃくちゃお得だった。ストーリーにも舞台上にもキャストの顔面もに余白が少なくて(ないとは言ってないけど)よかった。ちゃんと原作読みたくなったのですごくうまくやった2.5だったと思います。
立石さんはパイを運んでくるだけでまじで面白いので天才だと思う。彼を応援している方に怒られそうなことを言うけど、なかなか出せないトンチキ面白さというかトンチキとの親和性の高さがあるので、今後活躍する場が変わっても定期的に2.5のことを思い出してほしい。
キャストがテニミュだらけといわれていたけど見てみたらまあみんなそれぞれ最適解のキャスティングだったかなと思います。生徒みんな出てくる曲でワー?!誰が誰役の誰?!ってなったところから全員にきっちり見せ場と出番があってちゃんとみんなを好きになれるっていう。
福澤侑さん、ありえんダンスうまいしラップできるし「そうっすよね」の空気感も心地よくて本当に有能。ネルケ、いい人材と出会ったなあと思う。(?)
クリケットの曲中の歌詞にやたらとテニミュで聞いたことあるワードが使われてたのはちょっと気になりました。こういうの安っぽくなるし、わざわざ別作品のネタを引っ張ってこなくても面白いのにもったいない。
銀劇に行くのもそうとう久しぶりでした。劇場スタッフのベリーショートのお姉さんがまだいらっしゃって勝手にうれしかった。あと在宅勤務で体力落ちすぎて階段こんな長かったっけ?ってなった。

 

舞台Twin Paradox「SONG STORY Vol.1」

制作:ソニーミュージックエンターテイメント
@中目黒キンケロシアター
ツイパラのおふたり、歌合のときはたいへんお世話になりました。よこたくん以外で唯一お顔が好きだったしよこたくんとよく絡んでくれてたので。
よこたくんのなんとも言えない天然に突っ込みができてかつよこたくんのことをかわいいと認識してくれている、大変頼りになるお兄さんたちだなあと思います。これからもよろしくお願いします(?)

 

パンダドラゴン Cherish Memories FINAL 祐矢卒業SP『青春』~青の記憶 春の思い出~

Zepp TOKYO
祐矢くんがアイドルになっていなかったらZeppに来ることなんてなかったんだろうなあ。今回も例によって祐矢くん推しの友達に連れてきてもらいました。配信はいろいろと見させてもらっていたけど、現場は去年のBLAZEぶりでした。一席空けとは言えあの広い会場の後ろまでしっかり埋まっていてすごかった。こうやって広い会場を埋めることができるのは、パンダドラゴンのみなさんのパフォーマンスが良くて遠くの席から見ても楽しいライブを作れるからですよね。あと曲がとにかく良い……。新曲がどれも本当に良かった。
『大人になる前に』、祐矢くん作詞の曲。葛藤や苦しみを描いた歌詞だけど、それでも楽曲の世界観は不思議と美しいんですよね。この曲の主人公の精神性もまだ「大人になる前」で、その残り時間が少ないことも分かっている、だから美しいんだと思う。自分がもう学生じゃないからそう感じるだけかもしれないけど。祐矢くんのパート「もがいてる日々もきっと誰もが青春と呼ぶから」からのなぎちゃんのまっすぐな歌声での「好きにさせてよ」本当に、本当に本当に良くていまこれを書きながらフリラの動画を見てるんですけど知ってるはずなのにはっとするくらいで。なぎちゃんの歌声は光属性に振れると本当にパワーがすごい……。それからこの曲は振りの揃い方が本当にすごい、それがすごくきれいに見える振付だと思う。
『制服と向日葵』歌詞が切り取る情景がとにかくまぶしい。制服を着た学生の夏の情景……にしてはあまりにも品があってさわやかすぎるくらいの歌詞だけどそれが白々しくなくて説得力があるの、パンダドラゴンのみなさん本人が持つ清潔感みたいなものがすごいからだと思います。こういう清廉な感じって回り回ってつまりはアイドル性なんだと思う。
『(超)あいどる道中膝栗毛』、トンチキ曲かと思いきやうっかり歌詞で泣きそうになる曲。「必ず笑顔を約束する、君の1秒をくれないか?」「僕もあんな風になれるかな?お父さん、お母さん、叶えたい夢ができました。」「僕は、アイドルになります!」こんな誓いをされたら泣いてしまう。アイドルの僕がファンの君を笑顔にしたい、それだけでも嬉しい曲だけどそれだけじゃなくて、「僕」の家族や一緒にアイドルをしている仲間、そしてアイドルでいる時間の有限性みたいなものまできちんと歌っているからこのキラキラした歌詞すべて本当に聞こえる。祐矢くんパートの「たとえステージにマイクを置く日が来ようとも」さすがにはっとするどころじゃない……。そういうところも含めつつトンチキ愉快に仕上げていて、感情をごっちゃごちゃにされるのもアイドルファンであることの一部だと思うから本当にすごい曲だと思う。
『愛されキャラでごめんなさい』本当になぎちゃん、なぎちゃん……!!なぎちゃんの周りのみなさんとおたくの、なぎちゃんにはずっと笑っていてほしいという願いを代弁するような曲。なぎちゃん、本当にすごい子なんですよね。パンダドラゴンが創世記の登場人物だったら最初に世界に笑顔をもたらしたのはなぎちゃんだろうなって気がしませんか?最後の「ごめんね?」があまりにもかわいくてずるい。はやくコロナ終わって「いいよ~!!!」って叫ばせてください。
『チューインLOVE』、すごい、祐矢くんが歌うことに意味がある曲だ……。「味が消えても捨てたくない、二人いた証拠だから」優しくて幸せだったけどもう終わってしまった恋を大切にしていくよって歌詞、その曲をずっと祐矢くんがアイドルとして頑張ったことで身につけたかわいさあざとさで歌っていて、本当にすごい曲。なんだろう、過去の幸せだったころのことを歌っているけど、いま歌っている祐矢くんはまだアイドルなのに!って思ってしまうんだよね。しかけがたくさんのたいがちゃんの振り付けがかわいすぎた。風船ガムを膨らませてハートにするの、天才。
『桜Ambitious』、元気でキラキラ明るくてまぶしくて青春で、ああもうこれは卒コンでメンバーもファンもみんな泣いちゃうんだろうなあって曲。「ずっとずっとこのままでいたいけど行かなきゃ」ぱっちさんパートの行かなきゃがすごく切なくて……。「大切な僕の光 僕の希望 それだけは変わらないから」もうさこんなストレートな歌詞、ずっとずっと7人でいられる世界だって泣いちゃうんよ。みんなぼろぼろ泣いていたなかで祐矢くんは泣いていなかったのがなんかすごくらしくて好きでした。
オーディションの課題曲を含めてこれまでのパンダドラゴンが出した全曲を披露した3時間超えのライブ、最後まで疲れを一切見せずに指先まで美しいままに歌って踊り続けていて、なんかもうすごいどころではない、アイドルに詳しいわけじゃないけど、これができるアイドルってほかにどれくらいいるんだろう?みんなこんなにかわいい顔してこんなに無尽蔵に体力あるのもはやわけがわからない。
パフォーマンスとか表現とか、自分にできることをしっかり分かっていて見せたいものがしっかりあるって本当にすごいことだと思うんですよね。作詞、衣装、振付にメンバーがかかわっているものもあって、そういうものに対するこだわりをメンバーがたくさん教えてくれたのも楽しかった。祐矢くんへのお手紙で喧嘩もしたねみたいな話をしている人もいたけど、喧嘩ができるのってそもそもやりたいこと、めざしたいものがあるからだよね。なんとなく、アイドルとアーティストとかアイドルとクリエイターとかって相反するものだという認識があったんですが、パンダドラゴンのみなさんを見ているとそんなことはないと思わされる。アイドルというものがだいすきなメンバーが、アイドルのかたちのないキラキラとか観客それぞれが取りこぼしてきたかもしれない青春とかを表現することに全力で、それをできる技術があって。だからわたしなんかは本当に誘われてたまにいくくらいの人間だけど、パンダドラゴンのステージはいつ行っても楽しいです。
それから、祐矢くんがこれからも世界のどこかでその才能(って言いたくなるけど努力の結晶だよね)生かせるようになっていればいいなと思うし、それが難しくてもたくさん愛されていた祐矢くんが幸せでいてくれることを願います。祐矢くんのおたくのみんなもね。