学生ランウェイを見に行った日記

GAKUSEI RANWAY 第2弾 2023/12/10
@なんばhatch

思い返しても人生でいちばん大変だった現場でした。次回開催も決まってるので該当になった方の何か参考になれば。

関コレに出場するモデルのオーディションがメインのイベントです。小学生~大学生のモデルの卵300人から会場投票で関コレに出場するモデルを決めます。この300人のモデルのランウェイの間にゲストアーティストのライブやインフルエンサーが出演するブランドのランウェイがあります。

まず入場について、公式HPの記載は以下↓(コピペです)
1階スタンディング入場無料
※入場にチケットは必要ありません。
※入場は待機列に並ばれている順となります。
※会場が満員になり次第、入場を規制させて頂きます。
※2023年12月10日(日) AM7:00からなんばHatch3Fエントランス広場にて、待機列整理をさせて頂きます。
それ以前の方は皆様無効とさせて頂きますので、ルールを守った上でご対応いただきますようお願い致します。

開演15時、開場14時半、入場待機列形成開始が朝7時。
整理券などなく開場時点で並んでいる順番に入場になるので、7時から並ぶ人は7時間半ひたすら屋外で待ち続ける。
そしてHPには記載されてないですが、ランウェイモデルの招待者の列とそれ以外の一般の列とでわかれています。

私は招待チケットで10時半頃に到着、この時点で招待者の列は3階エントランス広場を超えていて、12時頃に見たときには3階から1階まで列が伸びてました。今回300人のランウェイモデルそれぞれに招待チケットを20枚=6000枚配っていたらしく、それが本当なら招待でもかなりの人数が入場規制の対象になる。(なんばhatch1階席のキャパは約1700程度)

ちなみに招待チケットについて、私はインスタで招待チケット渡せますと言っているモデルさんを見かけたので直接DMしてもらいました。その子は良かったら投票してくれると嬉しいくらいの雰囲気だったけど、招待チケットあげるから投票してって人は色んなとこで見かけました。(あと学生ランウェイって単語を入れているツイートに無差別で招待チケットありますってリプを送ってくる謎のアカウントもあった。)招待とはいえ客席内に関係者エリアみたいなものがあるわけではなく、いい場所で見たければ一般と同じように7時から並ぶ必要があります。入場の際に事前にモデルさんから受け取った紙チケットをもぎられます。名前を控えられたりはしないので運営側も招待チケットが実際どれくらい捌けてるかは把握してないと思う。

で、この長蛇の列の招待枠とは別に一般の枠もありここにも早朝から並んでいる人がいる。一般の列はほぼエントランス広場に収まるくらいの人数だったけど、すごく人数が増えてる印象はなかったので割合的に早朝勢はかなりいそうでした。
招待チケットは一般枠より優先的に入場できるものだけど、その招待チケットを会場のキャパを遥かに超える数出しているので、一般枠は何時から並ぼうが入れないことになる。(ただ列はほぼ同じくらいに動き出したように見えたので実際は早朝から並んでいたような一部の人は一般でも入れたりしたのかな?とも思うけど実際のところは見てないので分かりません。公に招待チケットについての記載はなく招待チケットの存在も知らないのが普通なので、整列開始時刻から並んでいい場所どころか入れもしないってなったらさすがにもうちょっと炎上してる気がする。)*1

この現場、とにかくアナウンスがない。この規模のイベントだと拡声器で列の最後尾がどこかアナウンスするスタッフがいるのが普通だと思ってたけど、ここのスタッフは基本的に聞かないと教えてくれない。明らかに人員が足りてないのでその場にいるスタッフが悪いとかではないけど。
公式SNSにも入場規制などの情報を流さない。出演者も「無料なのでお近くの方は気軽に来てください」くらいのテンションで告知してたけど、その場に行かないと入場規制になってることも分からない。会場内にいる人も外の様子が一切分からないから下手に動けない。
スタッフが列を見ているわけでもないので、横入り待ち合わせもめちゃめちゃ多かったです。これはUNiFYでもよく見るからある程度はどうしようもないけど(どちらかといえば現場で協力できる友達を作る努力をしてない私みたいな人間のほうが悪い)、電話で「いまから並んでも入れないよ、私達前の方並んでるから来なよ(※関西弁)」みたいな会話をして5人くらい前に入られたときはさすがにやや虚無った。せめて公式に横入り待ち合わせ禁止の文言ひとつあればと思うけど、まあしょうみ最前入れる位置じゃなければ大差ないのはある。

ちなみにわたしは一人で来てるのに寒さ対策と暇つぶしの本だけで4時間入場待ちしようとしていて完全に舐めてました。たまたま並んだ位置が階段で段に座れたから良かったけど、早く行ってたら壁沿いですらない地べたしかないので敷物や折りたたみの椅子は必須です。
隣にも一人で来てる方が並んでいて、お手洗いやコンビニに行くあいだ荷物を見てもらうことができたのでギリ一人でもなんとかなりました。並んでる人の多くは家族連れかモデルの友達の学生のグループかおたくのグループで普通に声かけづらい感じなのでたまたま親切な方が近くにいて助かりました。複数人で来てる人たちはマックとかテイクアウトしてピクニックみたいにしててそれはそれで楽しそうでした。というか会場内に比べると入場待機列は眠気が辛いくらいでぜんぜん天国だったと言えます。座れるし12月なのに気温の高い日でそこまで寒くなかった。ただ次回開催は6月で、屋根はないし場所と時間によっては日なたです。頑張ってください……。

入場してからは混雑・動けない・立ちっぱなし・暑い・タイテなしで、分かっていたけどまさに苦行でした。
外の時点であの列だったので中は当たり前にぎゅうぎゅう詰めです。モデルさんの関係者で未就学児くらいの子どもを連れてる人がわりといて、ここまで混むとは思ってなかったんだろうけど本当に大変そうでした。足元に座り込んだりでひやひやした。現場で髪を引っ張られるという経験を生まれて初めてしました。仕方ないけど子どもを抱き上げている人やうちわを頭上に掲げてる人もかなりいた。ぎゅうぎゅう詰めのなか待ち合わせ無理やり前に来る人もまあいました。我が子に本気の親御さんたち(正しい)と、過酷だとわかっていて現場に来る選択をしたおたくたちが同じ空間に詰められていた。

混雑と同じくらい暑さも辛かったです。外に並ぶことを考えて寒さ対策を万全にしていったのが仇になりました。カイロとか持っていってたけど全く出番なくて、むしろ汗拭きシートとハンディファンがほしかった。途中お手洗いに行けない想定で飲み物をしっかり持っていかなかったことも後悔しました。体調崩さないためにも多めに持っていったほうがよかった、汗で出る。ドリチケはあるけどドリンクの引き換え所は入場の動線から外れてるので入場を優先すると受け取れないです。
普通に汗かいてメイクもひどいことになったので、真夏の外現場のテンションでベースメイク仕込むべきでした。周りの方の好意もあり推しの出番のときには1.5列目くらいに入れたけど、顔も髪も表情も本当に終わってたと思うので今日ばっかりは本当に推しに見られたくなかった。(推しからしたら大して変わらんだろうけどおたくは自意識過剰なので)あと客席はしっかり配信に映されます、下手に化粧直しもしづらい。

そしてタイテがない。UNiFYはゲストアーティストのなかで出番が最後だったからか、イベント開始から2時間くらい経ってから出演時間の告知があったけど、他のグループはそういうのもなさそうでした。出番が遅いほうが待ち時間が長いぶん前の場所に行けるチャンスは増えるのはいいけどとにかく立ちっぱなしの待ち時間が辛い。足が痛くても足元に周りの人の荷物があったりで立ち方も変えられない時間もあって本当に本当にきつかった。

ランウェイモデルの出番は15時20分頃(300人全員出演)・19時30分頃(決勝に残った100人)・20時35分頃の結果発表と3回あって、決勝に残ると最初から最後までステージに出ることになります。なので最前とかいい場所にいるモデル関係者は基本的にずっと動けない。普通に全編楽しんで見てるモデル関係者も多かった。ぱっと見でモデルの関係者なのかゲストのファンなのか分からないくらい。周りに気を遣ってしゃがんでくれたり交渉で目当ての時だけ場所代わってくれたりはありました。

予選が終わったタイミングと人気あるグループ(今回だとicexさんとか)の出番が終わったときがいちばん客席が動いた印象です。

あと小学生の子も20時過ぎてもステージ上に出てくるみたいでした。知らないけど厳密に労働ではないのかな。

ちなみにこのイベント、2階指定席のチケットも販売していて、このチケットがあれば早朝から並ぶ必要もないし途中退席しても戻って来れるので楽したいなら絶対取ったほうがいい。
ただ正直それぞれのグループの持ち時間って20分程度だし、それだけのために大阪まで遠征してチケット代10,000円出して2階席から見て虚無らないかと言われると自信がない。
体力的にきつすぎてランナーズハイみたいな状態になってて、こう、頑張ったことの報酬に頑張ったという事実を手に入れたみたいな……推しはあくまできっかけであって推し自体は報酬ではないし、建設的な頑張りでもないことはわかってるんだけど、それでも頑張った。正直推しメンの顔もパフォーマンスも断片的にしか記憶がないけど、帰り際にドリチケと引き換えで選んだオレンジジュースが本当においしく感じた。わたしは常日頃寛容なおたくではまったくないけど、この日ばっかりはなぜか不思議と凪いだ心持ちでした。始まる前からキツイことがわかってて行くか悩むような現場って他にも色々あると思うんだけど、頑張れば少なくとも頑張ったという事実はもらえるんだと思える経験でした。*2*3


以下普通に感想です。

5時間半の待ち時間を耐えられたのは300人のランウェイを見るのが思いの外楽しかったからというところも大きかったと思います。今回出ていたのはみんな事務所に所属していない女の子たちだけどみんなかわいかった。おしゃれした女の子たちがたくさん出てきてなんだかプリパラの世界だった。大人になると自分の骨格や身長や年齢で選ぶ服の範囲を狭めてしまいがちだけど、子ども服ってそういうものから自由なのがいいなと思う。実際何着てもかわいいし。*4

予選はペアランウェイで、みんなライバル同士でもあるはずなのにふたりでどのポーズしようとか打ち合わせしたんだろうなって子が多くて和みました。

自分は美しい顔面がめちゃめちゃ好きなんですが、そういうルッキズムのメーターに子どもを乗せるべきではないと思う程度の倫理観はあるので楽しめるか心配もありました。でも思っていた以上にモデルって顔の造形だけではなく魅せ方や個性のアピールが大事なんだと発見できたのがよかった。MCの方が「ウォーキングやファッションに注目して見てください」と言っていたけど本当にそこが光ってる子は印象に残る。もちろん一生懸命歩いてるって感じの子やポーズがあどけない子もかわいいんだけど、歩き方やポーズがノッてる子、表情に迷いがない子の自信も素敵でした。自分はいまだにカメラを向けられたときどんな顔をすればいいのか分からない人間なので、かわいい表情やポーズをすぐできること素直に尊敬する。

ただ投票については、素敵だなと思う子がいても300人もいるからなかなか名前を覚えられない。あと名前を表示するスクリーンがサイドの下の方なので、カメラのクレーンと被って名前が見えないことが多々ありました。真ん中のスクリーンも使ってくれたら全員見れたと思う。わたしもそうだったけど全員が自分のいちばんお気に入りの子に投票できたわけではないんじゃないかと思う。一応投票ページにも写真は載ってるけど、衣装も違うしあの人数から探すのは大変すぎるので。

子どものころモデルやアイドルのような存在になりたいなあとか思い描くことは誰にでもあっただろうけど、そのためにオーディションを受けてステージに立つってすごいことだと思います。

 

*1:本当に余談、待機中の暇つぶしに恩田陸の「月の裏側」を読んでいたんですが、明らかにおかしいことに対して最初は告発しようとしていた人も結局は波風を立てず抵抗もしないことを選んでしまう……という展開に妙なリアリティを持って読むことができた。私は恩田陸作品だと「麦の海に沈む果実」「蛇行する川のほとり」「ネバーランド」が特に好きな典型的なおたくで、あらすじがSFやホラーっぽかったりすると積読になってしまいがちなんだけど、でもやっぱり恩田陸ってどんな作品にも私の好きな恩田陸らしさが絶対散りばめられてるので好きです。

*2:「よくやった事の報酬はそれをやったって事だけ」とエマーソンも言ってますからね。

*3:でもおたくに関してはこうだけどプロに頑張るなんて職業はないって古市左京さん言ってますので。

*4:思い返せばわたしが当時読んでいたティーンズ誌にも着痩せコーデみたいな特集はあった気はするので、大人目線だからそう思うだけだとも思いますが。最近のティーンズ誌は骨格診断やパーソナルカラーの話なんかもしてるんでしょうか。