やりたいこと無限大(2020年現場振り返り①)

パンダドラゴン2nd単独ツアー~授業参観~

@新宿BLAZE
出演:パンダドラゴン
授業参観に行ってきました!祐矢くんのおたくに誘われてパラゴンさんの現場は4回目です。冒頭のMCでみなさんは保護者です的なことを言われて軽い気持ちで保護者役をやったら思ってた以上に気持ちに嵌まってしまい、最終的には完全に観に来たメンバーの家族の気持ちになって涙出た。制作の意図以上に授業参観というコンセプトが刺さってしまった感じがする。
知ってる曲は半分くらいかなって感じでした。パラゴンさんのライブは曲を知らなくても楽しいって話は前にもしましたが、パフォーマンス力の高さ+この曲はここが見せ場!ここを楽しんで!というのが一曲一曲ちゃんとあるのがまじで強い。MCで6曲連続はキツイという話をしていましたが、本人たちからキツイって言われないとわからないくらい誰もきつそうな感じを見せないのがさすがでした。いや当たり前なのかもしれないけど!自界隈この人マチソワきつそうみたいなのぶっちゃけあるから……。一回見ただけの私でもこんなに楽しかったんだから、一緒に全国回ったファンの子はもっともっと楽しかったんだろうなって思います。パラゴンのみなさんにとってもファンのみなさんにとっても特別な大切なライブなんだと分かる会場の空気がすごかったな。ちゃんとおたくなわけじゃない私から見ても唯一無二の空間だった。
あとチケット代安すぎてびっくり。高いチケット代取ってるわけじゃないのに、デジチケで紙のチケットも渡してくれたりオリジナル衣装のクオリティが高かったりときちんとファンに還元されている感じが本当にいい。今回初お披露目の白衣装よすぎて、会場中で沸いたの楽しかった。全身白いのに安っぽくなくて品があって、きらきらとひらひらにときめきが詰まってて、なによりみんなにちょう似合ってた。
私は自分がきれいだと思ったものを裏表なく純粋無垢だと夢見がちなところがあるんですが、パンダドラゴンさんの心のきれいさに関してはお友達に「何言ってんの?」って言われないので、たぶん本当に彼らはいい子たちなんだと思います。
・ぱっちくん
めちゃめちゃ目が合う気がする……と思っていたらご本人が「画面越しじゃなくて直接会いに来てくれてありがとう」と言っていて、その言葉どおりちゃんと目の前にいるお客さんひとりひとりに何か伝えようと意識しているのかなって。何でもできるタイプだろうとは思うんですけどそれ以上にお客さんを楽しませることに誠実なんですよね。
見れば見るほどビジュアルにしろパフォーマンスにしろ天性のアイドルだなとしみじみしてしまう。かわいいもかっこいいも衒いなく完璧で楽しく手のひらの上で転がされました。サッカー部顔なのに実はリフティングがぜんぜん出来ないくだり、あらゆる方向で能力が高すぎるから神がバランス取ったんだなって思いながら見てた。
・ あづくん
ちょっとした言いまわしや返しがいちいちちょっと面白くてずるいし、面白いのにちゃんと倫理観あってすごい。
そしてこれまで見ていた印象以上にあづくんの内面の熱さを感じたライブでもありました。雪月花やSnow Danceの切なげな表情が好きでした。感情のまま意のままに動く手足が美しかった。近くにいた女の子が今日のあづくんのってたね~というようなことを話していたので少しレアなものを見てたのかもしれない。
・ ようたくん
「ようたみ」とは何たるかを理解してからが彼の本領発揮。天然揃いのパンダドラゴンさんのなかで常識人ポジションかと思ってたんですが、この人もけっこう様子おかしいとこあるじゃん?!好き!
最後の挨拶でアイドルをやる前は小学校の先生だっだ、両親にアイドルになりたいと話したときに初めて親と喧嘩したという話を聞いて胸がいっぱいになってしまった。こんなに優しくかっこよく育って生徒さんからも慕われていただろうし、こんな息子絶対自慢だったと思う。だからこそ、先生を辞めてアイドルになって、たくさん応援されてるようたくんを見ることができたのよかったなあって。だってBLAZEの800人って私の通ってた小学校の全校児童数より多いもん、そんな人数がたまたま出会ったんじゃなくてちゃんと好きになって会いに来てくれたんだって、本当にすごいことだなってしみじみしちゃった。
・ たいがちゃん
たいがくんの王子様み溢れる白ブレザー、制服衣装でいちばん好きでした。これを着こなせるビジュアルの強さ。色白肌に細い手足、お顔の骨格がくっきりしていて目もと口もとの可動域が広くてとにかく表情豊かなところ、笑うとまゆが下がるところ、もう完全に好き。私が絶対好きなジャンルだなってしみじみ思ってた。ソフトテニス衣装の骨ばった長い手足がやたら色っぽくて困った。
話し方やリアクションがちょっと和むくらい明るいところと、メイクの拘り方とか見てても彼なりにコンプレックスだったりがあるんだろうなという感じ、どちらもあるから好きだなと思います。優しい子だなって。
・なぎちゃん
えんじ色の学ランをリアル中学生のリアルさでさらっと着こなす感じ強かった。普通の中学生以上にピュアなのに普通の中学生ではありえないくらいにプロのアイドルで、未来と希望を詰め込んだような子だなと思います。MCのなぎちゃんのご家族がよく観に来るというくだりでなぜか涙ぐみかけた。メンバーに「なぎの妹かわいいんですよ」って言われて照れくさそうにしてるなぎちゃんが100点満点で。
チェキくじ、半分なぎちゃんだったんですがどれもあまりにもチワワで引いてもらうたびに「かわいい!」「わあかわいい!」ってやってた。(というかチェキくじっていい文明ですね。缶バッチよりチェキのが好き)
・ 祐矢くん
NANANA、完全に祐矢くんのターンでめちゃめちゃ楽しかった。水を得た魚とはこういうこと。MCでもわりとにこにこうんうんしてて大人しそうな子がセクシー曲で急にこんな情熱的に踊るのずるくないですか。色気に品があってしなやか。
祐矢くん、きれいなお顔立ちだけど雰囲気大人しそうで、普通に生活しててアイドルっぽいと思わせる感じでもないと思うんですが(逆に普通に生活しててもアイドルっぽいのはぱっちくんたいがくんあたりだと思う)、そんな子がステージの上ではあざとかわいいもセクシーも完璧に表現できる、ファンだけがそれを知ってるって感じがなんかすごくいいんですよね。なんかコンビニとか行ってる祐矢くんに「実はとんでもなくダンス上手いです」ってテロップつけたいもんね。
・ なるきくん
なるきくんのビジュアルに茂吉要くんを感じていたので白衣で出てきたとき解釈一致すぎて笑った。
圧倒的なスタイルの良さとパフォーマンス中の満開の笑顔で、誰が見ても絶対印象に残る感じ、強み。なぎちゃん見ながらいつか彼も大人の男になってしまうのかなと勝手に切ない気持ちになってしまう横でなるきくんが顔真っ赤にして泣いてるのだいぶ和みました。なるきくんのどこにでもいそうに見せかけて絶対どこにもいない妖精みたいな感じ、沼だなと思います。あふれ出る不思議なピュアさがすごくて、何年経ってもこの赤ちゃんみたいなふわふわした笑顔や佇まいは変わらないんだろうな。

舞台KING OF PRISM-Shiny Rose Stars-

@TDCホール
脚本:青葉譲 演出:宇治川まさなり 制作:エイベックス


↑ここに書ききれなかったこと。
元々原作ファンではなかったし、一応予習はしたけどファンの応援までは予習できないのでいまいち良さがよく分からなくて、幕が開くまで楽しめるのか不安がありました。けど不思議と行けば行くほど楽しかった。ルヰくんが最高に良かったこと、各々キャストが天才だったこと、それからカンパニーとして好きになれたことが大きかった。
ルヰくん役よこたくんがどんな気持ちでこの作品に挑んでいるか、その想いをたくさん聞いてきたからその想いが舞台上に現れていたことが嬉しかった。大きな挑戦だった横田くんも、『レオくんという役を通して星元裕月自身伝えたいことがある』というようなことを話していた星元さんも、一声優一俳優として以上に深くキンプリという作品に関わっている五十嵐さんも、各々俳優さんにとって大切な舞台だったと思う。作品として観客にどう受け取られるか以上に、そういう特別な舞台だったと思います。
本当に好きな舞台ではあったんですが、でもひとつ言うなら脚本演出はもう少し頑張ってほしかった。脚本は原作ファンにあぐらをかきすぎだしプリズムショーの演出も工夫がない。サイリウムチェンジで衣装が変化しないとか曲中脱衣のために捌ける時間が長すぎるとか一瞬トラブルかと不安になるような演出の手抜きはもうみょっと考えてほしい。連れていったキンプリミリしらの子に「そもそもプリズムジャンプってなんなの?」って言われてそこを伝えられてないのやばいなって思った。舞台だけ見てもどんな絵を見せようとしているのか分からない。アフトやSNSでの脚本家の話しぶりからしても、作品のファンしか視界にない感じはすごかったし、それが問題だとは思ってないんだろうな。
再演も続編もやってほしいし私は楽しんで通うんだろうけど、だからこそある程度誰とでも楽しさを共有できるものだったらなという気持ちです。色々言ったけど結局楽しかったし好きです。

Asterism vol,6「DOUBT」

@TACCS1179
脚本:木村純子 演出:樋口夢祈 制作:スタービートエンターテイメント
出演:鷲尾修斗 原野正章 堀田玲央 須永風汰 久野木 樋口夢祈
ブタキンが公演自粛になった次の日にはTACCSにいました。ブタキンと公演期間まる被りで観劇できないかと思っていたんですがそっちが公演中止で結局観ることができたという。かなり落ち込んでたけど面白い舞台を観ることができてだいぶ傷も癒えました。
社会人に優しい余裕の19時半開演、20時半終演でアフターイベントに参加しても終演後ゆっくり肉を焼ける!1時間に無駄なく凝縮された物語は充実感がすごかった。短い上演時間で描き切って満足度の高いものを作るって長大な舞台やるよりずっと難しいと思う。今日も木村さんは天才です。
木村さんの脚本は気になる謎を残していくのに何も考えず気負わず見てもカタルシスがある、考察頼りじゃないバランス感覚がすごいんですよね。作中死を直接見せないことを徹底していて、だから誰が誰に殺されたのかははっきりとしない。でも物語はきれいに完結している。DOUBTというタイトル通り、どの台詞が嘘で本当かということがキーになっていたと思うんですが、何も考えずに見てもリツカの最後の台詞「さよなら」が間違いなく本当だったことだけは分かった。「『そのうち』と『いつか』は来ないんだよ」「けどさよならよりも寂しくないだろ」「またいつか」作中印象的に繰り返される台詞は、最後本当の「さよなら」で結ばれる。
あとDOUBTで印象的だったのは台詞の文学的な美しさ。木村さんが書く台詞もそうだし、ヤマト・イクミの朗読する方丈記エピクテトス、良かった。(というかアステに限らず若手俳優が文学朗読するやつもっと見たい。)オリジナルの台詞でいえばリツカが英さんに語っていた「夕陽を見て懐かしく思うような~」の一連の台詞が本当に美しかった。リツカみたいにあまり人の話を聞かないキャラクターって個人的に見ていてストレスになりやすいんですが、おたくの状況的にも今まで当たり前に見ていた演劇を見られない≒したい体験をできない現実があるなかで、強い体験をしたいというリツカの気持ちが分かりすぎて辛かった。
ヤマトとイクミの言葉少なに分かり合ってる感じがすごく良かったな。長い付き合いで培ってきた信頼関係があるというか、きっとふたりで哲学や文学のことを語り合った夜もたくさんあったんだろうと想像させる感じというか。イクミ、人当たりがよくて頭も良くて問題を起こすなんてしなさそうなのに嘘をついて逃げ出すの、初見だと驚くんだけど2回目見るとなんだかわかるんだよね。須永くん、顔小さくて細くて明るい髪色が似合う、すごい令和感のあるビジュアルだと思うんですが、誰にも心配すらさせずに不意に手の届かないところに行ってしまう儚さのある役が本当に合ってた。それから笑顔の印象が強い堀田くんの硬派な役がすごく良くて。堀田くんはいつの時代を生きていてもかっこいい顔だよね。
夢祈さん相変わらずの安定感でした。ラスボスだった月光仮面に比べると英さんはかなり気さくなお兄さんではあったけど、子どもから見た大人の底知れない怖さがずっとあって。夢祈さんがいると舞台がぴしっとする。
あとカルナ役あきくんが目力の強さゆえにミャンマーネタを取り入れられてたのめちゃ笑ってしまった。し、身内にミャンマー語チョットワカル子がいて台詞の意味教えてもらえたのもめちゃウケた。木村さんもまさかTACCSの客席にミャンマー語分かる人いるとは思ってなかったと思う(?)

淡海乃海ー現世を生き抜くことが業なればー

@新宿村LIVE
脚本:西瓜すいか 演出:西口綾子 制作:TOブックス
外出自粛要請のさなかそして吹雪のなか誘われて行ってきました。西新宿駅から出ようとしたら雪真横に降っててめちゃくちゃ笑ったね。寒すぎて劇場入り口の消毒用のアルコールに温もりを感じた。誘われて予定もなかったので軽率に観劇を決めましたが何事もなく終わってよかった。払い戻し対応あり、前楽は無料配信ありということで客席内のソーシャルディスタンスはまあ保たれていました。(ちなみにそれでも現地に行った理由はチケット取る段階で〇〇さん扱いというのが選択できず、劇場でしか目当ての俳優さんを制作に伝えられないから。)
原作は転生ものなろう小説というまじで触れたことのないジャンルでしたが、よく言われてるチート感もそこまで感じず、先の気になる展開でした。あまり書き手作り手の変なクセを感じさせるところがなくて見やすかった。刀ミュのおたくなので主人公が軽率に歴史変えようとする展開にはびびったけど。過去いじったら現在もいろいろ狂わない?!現代の主人公死んでるからどうでもいいんか。
久野木くん、どんな役を当てられてもうまいタイプの方だとは思うんですが、今回の威厳ある役があまりにもはまりすぎてた。終演後すぐ久野木くんめっちゃかっこよくない?!って言っちゃったもん。長台詞の声の響きがとても美しかった。黒髪黒衣装がとんでもなく似合う。原作だと久野木くん自身よりももう少し年上のキャラらしいんですが、それを任せても説得力がありすぎる。
中島礼貴さん。初めて拝見したんですがなんかめちゃめちゃかっこいい人いると騒いでたら「いまの新くん役の人だよ」と簡潔に納得できる情報を得ました。そりゃかっこいいわ。役もすごくよかったと思う。若くて誠実でまだ青い感じが良い。
あとガオレンジャーの方がいると聞いて懐かしさにぶっ倒れたんですけど(当時赤ちゃんだったけどネバギバのくだりとウクレレのくだりは一生覚えてる)、彼に当時からファンからだと思われるお花が届いててファンの息長くて素敵だなとなった。かっこいいもんね。ありえん顔が小さい。
女性陣もみんなかわいかった。松村芽久未さん、NMBのときにお名前知ってたからロビーのお花の宛名見てびっくりした。卒業後も色んな舞台に出ていることは知ってたけど振る舞いも発声も女優然としててさすがでした。小劇場、ありえん顔小さくて細くてかわいくてうまい女優さんがたくさんいすぎて怯えてしまう。

ということでこれが自粛前最後に観劇した舞台になりました。舞台のない生活でつくづく思ったことは、客席にいる時間だけじゃなくて劇場までに向かう時間やスケジュールに観劇の予定がある生活そのものがとても大切だったということ。通勤路が暑くても寒くてもそれは暑いだけで寒いだけだけど、劇場に向かう道なら印象づく夏や冬になる。その暑さや寒さと同時に劇場で楽しかったことも思い出すから。
この日がこの冬いちばんの吹雪だったのも印象的です。きっと次の冬に雪が降ったらこの日の新宿村LIVEまで笑いながら歩いたことを思い出すんだろうな。